旅行や散歩の邪魔にならないサイズで暗くても動画がキレイに撮れるのはどんなカメラでしょうか?
今回は選ぶポイントや具体的なモデルを紹介します。
この記事の対象者
- 外出のついでに動画を撮影したい
- 夜や薄暗いところでも使える性能がほしい
- 具体的な選択肢や探し方を知りたい
この記事でわかること
- 暗所に強いポケットサイズカメラ(動画用)
- できることできないこと(限界ライン)
- 現役で本当に使えるモデル
暗所に向いているのはどんなカメラ?
基本的に明るさが不足している環境でクリアに撮るポイントは、光を多く取り込むことです。
プロの現場でミラーレスカメラやシネマカメラがよく使用されているのは光を多く取り込む性能が高いからです。
ただし、このページの読者は、おそらくそのような大型カメラを求めてないはずです。
プロ用の大型カメラの話は一旦置いておきましょう。
繰り返しになりますが、このページでは以下を対象とします。
メインの目的:旅行やアウトドアなどを楽しみたい
サブの目的:ついでにいい感じで動画を撮りたい
なのであくまでもポケットサイズと暗所撮影を両立できるカメラに厳選してご紹介します。
暗所撮影で必要な要素
コンパクトでも以下のようなポイントを押さえているカメラなら暗所でも活躍します。
ハードウェア面
- センサーサイズが大きい
- レンズが明るい(低F値)
- 手ブレを物理的に予防する(ジンバル付き)
ソフトウェア面
- ノイズリダクション・画像処理
- 手ぶれ補正
- 高ビットレート
大きなセンサーサイズ
センサーサイズが大きいほど、光を多く取り込むことができるため、暗所でもノイズが少なく、クリアな映像を撮影できます。
理想としては1インチセンサー以上が有利です。
明るいレンズ(低F値)
F値が低い(例: F1.8やF2.0)のレンズは、より多くの光を取り込むことができます。
高感度(ISO)性能
高感度性能が優れているカメラは、暗所での撮影時にISO値を上げても、ノイズを抑えつつ明るい映像を記録できます。
ISOの範囲が広いモデルは、暗い場所でも適切な明るさを確保できます。
ノイズリダクション技術
暗所撮影時は映像にノイズが発生しやすくなります。
優れたノイズリダクション技術を搭載したカメラは、ノイズを効果的に抑え、映像をクリアに残せます。
広いダイナミックレンジ
暗所といっても完全に光がないわけではなく、明るい光源と暗い部分が混在することが多いです。
広いダイナミックレンジを持つカメラは、こうしたシーンでも明暗差をうまく捉え、自然な映像を撮影できます。
手ぶれ補正
暗所での撮影では、シャッタースピードが遅くなることがあるため、手ぶれ補正が重要です。
手ぶれ補正がしっかりしているカメラは、暗所でもブレの少ない映像を撮影できます。
手ぶれ補正の方法は2つの方向性があります。
- 物理的にブレないように撮影する(ジンバル使用)
- ソフトウェアでブレを補正する
ハイビットレート
ビットレートの高いカメラのほうが細かいところまでディテールが残り、ダイナミックレンジが広くなります。
データ量が大きくなりやすい反面、暗所で撮影した際の画質低下を最小限に抑えることができます。
【2024年版】暗所でも使えるポケットサイズのカメラ3選
比較表
カテゴリー | センサーサイズ | レンズ | ISO | 重さ | バッテリーライフ | 防水性 | 外部マイク | 解像度フレームレート | 最大ビットレート | 発売時期 | 定価 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DJI Osmo Pocket3 | ジンバルカメラ | 1インチ | f2.0 | 100-6400 | 179g | 166分 (1080p@24fps) | 4K60fps | 130Mbps | 2023年10月 | 74,800円 | ||
Insta360 Ace Pro | アクションカメラ | 1/1.3インチ | f2.6 | 100-6400 | 179.8g | 100分 (4K@30fps) | 8k24fps 4K120fps | 170Mbps | 2023年11月 | 67,800円 | ||
DJI Pocket2 | ジンバルカメラ | 1/1.7インチ | f1.8 | 100-6400 | 117g | 140分 (1080p@24fps) | 4K60fps | 100Mbps | 2020年10月 | 49,500円 |
選ぶポイント
最適なカメラは何を重視するかによって決まります。
画質重視なら
1インチセンサー搭載やトラッキング性能があるので画質は「Osmo Pocekt3」が最強です。
10bitカラーにも対応しているため、カラーグレーディングの観点でも優れています。
耐久性重視なら
スポーツ・アウトドア・水中での使用を想定しているなら頑丈な「Insta360 Ace Pro」がオススメです。
操作性重視なら
ジンバルは操作に慣れるまでにに練習が必要です。
すぐに使うという観点で見れば直感的に使える「Insta360 Ace Pro」が便利です。
自撮りのしやすさ重視なら
スクリーンサイズは自撮りのしやすさに影響します。
当然、大きいほうが確認に便利なので「Osmo Pocekt3」か「Insta360 AcePro」が有利です。
さらに「Osmo Pocket3」はスキントーンも自然な点で一歩リードしています。
価格重視なら
発売から4年ほど経過した「DJI Pocket2」は価格的には落ち着いており、コスパのいい選択肢です。
ジンバルで手ブレを抑えて撮影するだけに暗所でのパフォーマンスは未だにアクションカメラを上回るレベルです。
暗所撮影に使えるポケットサイズカメラに関する疑問
GoPro HERO12やDJI Action4などは暗所で使えないんですか?
GoProをはじめとするアクションカメラは文字通り、アクション撮影用途で開発されたカメラです。
もともと昼の時間帯に使う前提のデザインとなっており、暗所性能はそれほど重視されていません。
バージョンがアップするにつれて暗所でのパフォーマンスも向上していますが、最優先事項ではないのです。
使えないわけではないですが、今回紹介したカメラよりも暗所性能のレベルは低いです。
アクションカメラよりジンバルカメラのほうがいいですか
暗所でのパフォーマンスを最重要視するならジンバルカメラがオススメです。
手ブレしないように撮影するのでより明るくてクオリティの高い映像が残せます。
逆にアクションカメラはジンバルカメラよりも強度が優れていたり、直感的に使えます。
そのため、最終判断は人によるとしか言えません。
ジンバルカメラとアクションカメラの違い
暗所撮影の観点で言えば、以下のような違いがあります。
ジンバルカメラ:画質が最優先(手ブレを物理的に防止,レンズが明るい)
アクションカメラ:耐久性が最優先(手ブレをソフトウェアで修正,レンズの明るさはジンバルカメラ以下)
ソフトウェアによる手ブレ補正の精度は年々上がってますが、ジンバルによる手ブレ防止には叶わない部分もあります。
以下はOsmo Pocket3の強みと弱点です。
- 3軸ジンバル(物理ジンバル)による手ぶれ補正
- 1インチセンサー搭載
- フェイストラッキングや背景ボケ
- カラーグレーディング耐性
- 強度
- 防水性能
「暗所撮影もするけど、防水や強度も必要」と感じる人にとってはアクションカメラのほうがいいです。
現状、画質と強度がどちらも完璧な機種が存在しないことからトレードオフの判断となります。
ミラーレスカメラのほうがいいですか?
繰り返しになってしまいますが、映像のクオリティを最重視するならプロが現場で使うカメラがオススメです。
ただし、旅行やキャンプを楽しみつつ、ついでに撮影するという順序で考えるなら、撮影機材は動きを制限する邪魔物になります。
ミラーレスカメラやシネマカメラの選び方はまた別の話になるので、ここでは省略します。
カメラ購入までの流れ
STEP1人気のあるモデルとメーカーを把握する
人気のあるカメラのほうが情報量も多く、トラブルシューティングもしやすいです。
あと、アクセサリー類も豊富ですね。さらにいうと買替時や断捨離時にメルカリ等で売りやすいです。
よほど理由がなければ、不人気のカメラは情報量や二次流通の観点から避けましょう。
STEP2利用シーンをイメージする
これを買っておけばOKみたいな万能モデルはありません。探せばどこか必ず弱点もあります。
なので自分が作成したいコンテンツに合わせて選ぶことが大事です。
STEP3細かいスペックを最終確認
以下のスペックは購入前に確認しておきましょう。(公式サイト等を調べたり、このブログ内の比較表を参考にしてください。)
- サイズ感・軽さ
- 撮影時間(バッテリー容量)
- 解像度
- 画角
- 手ブレ防止性能
- マイク性能
- 防水性能
- ステルス性
STEP4公式サイトで購入
アクションカメラは公式サイトで買っておくのもポイントです。トータルで見ると得です。
理由1:保証
屋外で使うとどうしても故障・落下などのトラブルが発生する可能性が高いです。
いざ故障した時は買った店に連絡するとかよりも、メーカーと直で話ができるほうがスムーズだし、保証延長オプション的なのもありますからね。
理由2:特典
タイミングによっては特典がついてくることがあります。
公式サイト経由の購入者しかもらえられないプレゼントもあります。
最後に一言
今回は、暗所で使えるポケットサイズカメラをまとめてご紹介しました。
今後発売されるカメラの暗所性能は徐々に向上していくと思いますが、現状では選択肢が限られています。
カメラ選びのポイントは、自分がどのようなシーンで使うのかをしっかりイメージし、その上でレンタルや試用を通じて納得した製品を選ぶことです。
実際に手に取ってみることで、スペックだけでは分からないフィーリングを確かめることができるでしょう。