価格.comでアクションカメラの人気売れ筋ランキングを見たら、GoProとInsta360 X3がそれぞれ1位2位にランクインしていました。
まったく性格が違うカメラですが、どちらを選ぶのが正解なのか。
もちろん使い方によって異なりますが、今回はそのあたりを整理してみます。
このページで比較するアクションカメラ
GoPro HERO11 Black
王道のアクションカメラ(2022年モデル)
GoProが優れている点
- シンプルで頑丈
- ハイフレームレート撮影可能
- 音声収録もしやすい
Insta360 X3
360度カメラInsta360 ONE X2の後継機(2022年モデル)
Insta360 X3が優れている点
- 撮り逃がさない
- ドローン風撮影(手ブレなし)
- 優れたAI編集
GoPro HERO11 Black vs Insta360 X3 比較表
GoPro HERO11 | Insta360 X3 | ||
---|---|---|---|
ジャンル | アクションカメラ | 360度アクションカメラ | |
発売時期 | 2022年9月 | 2022年9月 | |
①デザイン面 | 重量 | 153g | 180g |
サイズ | 71.8 × 50.8 × 33.6 mm | 46.0 x 33.1 x 114.0mm | |
ストレージ | 最大512GB | 最大1TB | |
バッテリー容量 | 1720mAh | 1800mAh | |
バッテリーライフ (設定) | 最長121分 (5.3@60p) | 最大81分 (5.7k@30p) | |
予備バッテリー | |||
防水性能 | 10m防水 | IPX8 10m防水 | |
振動フィードバック | |||
動作温度 | -10℃ ~ | -20℃ ~ 40℃ | |
②映像面 | センサーサイズ | 1/1.9インチ | 1/2インチ |
レンズ | f2.5 | f1.9 | |
ISO | 100-6400 | 100-3200 | |
画角|35mm換算 | HyperView|12mm SuperView|16mm 広角|16~34mm リニア |19~39mm リニア+水平ロックor水平維持|19~34mm | 360度 6.7mm FOV360° シングルレンズモード MAX 超広角+ 超広角 広角 アクション リニア | |
解像度@最大フレームレート | 5.3K@60p 4K@120p 2.7K@240p | 360度 5.7K@30p 4k@60p シングルレンズモード 4k@30p | |
360度動画 | |||
標準 | |||
HDR動画 | |||
スロモ | 4K@120p 2.7K@240p | 4K@120p※ リフレーミングするので実質1080@120p相当 | |
タイムラプス | |||
タイムシフト (ハイパーラプス) | |||
バレットタイム | |||
Meモード | |||
ループ録画 | |||
最大ビットレート | 120Mbps | 120Mbps | |
トラッキング | ディープ追跡2.0 ※編集時に選択 | ||
背景ボケ | |||
暗所性能 | 普通 | 普通 | |
カラー | フラット ナチュラル 鮮明 | LOG 標準 鮮やか | |
手ブレ補正 | 電子手ブレ補正 (HyperSooth5.0) | 6軸電子手ブレ補正 (FlowState) | |
ワイヤレスマイク | |||
価格 | 本体のみ | 72,000円 | 68,000円 |
本体+コンボ | 58,000円 | 75,820円~93,100円 プレミアムセット バイク撮影キット スキー撮影キット 自転車撮影キット バレットタイムキット 究極キット など | |
保険 | 年6,000円 | 年6,800円 |
両カメラを①デザイン面(ユーザビリティ)と②映像面にざっくり分けてまとめてみました。
ここからは各カメラ同士の比較から見える特徴(強みや弱点)を整理しつつ、それぞれに向いているパターンを紹介します。
GoPro HERO11の特徴
GoPro HERO11の強み
高画質撮影
5.3Kで撮影できるので画質比較ではInsta360 X3よりもきれいです。
タフさ
落としてもかんたんに故障することはないですし、万が一、レンズカバーに傷が付いても修理に出さず、自分で取り替えることができます。
X3だと使わない時はケースに入れる手間がかかります。
編集の手間が少ない
GoProは撮った素材を動画編集でそのまま使えるため、ひと手間少ないです。X3は360度映像をフラット映像にリフレーミングする作業が発生するため、素材が多ければ多いほど大変です。
安定の横長デザイン
三脚なしでテーブルとかに置いても安定します。
X3のような縦長デザインだとしっかり立てるためには三脚が必要です。
マイクが使いやすい
音声まで記録するならGoProが便利です。
メディアモジュラーや3.5mmアダプターによって外部マイクを使うことができます。
豊富なアクセサリー
GoProは歴史があるのでアクセサリーが豊富にあります。しばらくデザインが変わっていないことから、数世代前のモデルのアクセサリーとも互換性があることが多いです。
保険で2回まで交換できる
GoProはサブスクプランに入ると2回まで交換ができます。
X3は1回です。
GoPro HERO11の弱点
アプリしょぼい
アプリはユーザビリティ改善の余地があるレベルです(ストレートに言うと使いにくい)。
自撮り棒が消えない
GoProでは画面内に入った自撮り棒が自動で消えることはありません。X3は特に編集することなく、自動で消えます。
Insta360 X3の特徴
Insta360 X3の強み
360度カメラによってGoProでは撮れない動画が撮れる
ドローンで撮影したような第三者視点の映像はGoProには撮れません。アプリ内の編集ラボ機能を使えばAI編集でおもしろ映像を作ることも得意です。
編集ラボでできること(2023年1月時点)
電撃サージ / スカイスワップ / シネラプス / 水平フリップ / フライラプス / 電撃ウォーク / バレットタイムミックス / ノーズモード / ストリートラプス / ストップモーションミックス / スターラプス / フリーズスロー / 残像分身 / クローンループ / オートタイムシフト / 回転世界 / ストップモーション / ストップモーションスタチュー / ピクセライズ / パラレルプラネット / センターステージ / タイムフリップ / スピンビュー / ドリームズーム / スプリットジャンプ / ロールプラネット / 影分身 / 追い越し / ジャンププラネット / フェイスオフ / 巨人ジャンプ / ゴーストタウン
AI編集はスゴい
アプリ内の説明通りに素材を撮影するだけでAIが凝った編集を自動でやってくれます。
仕様を守らないといけないので撮影素材によっては上手くできないこともありますが、自分で編集すると数時間くらいかかるような内容をほぼ5分以内にできるので満足度が高いです。
撮影スキルがあまり必要ない
360度カメラの操作は意外とシンプルです。GoProの場合、画角の変更などで頻繁に設定変更が発生しますが、X3は一度設定したらあとは撮りっぱなしにできます。手ブレ補正も優秀で本当になめらかです。
シングルレンズモード
シングルレンズモードではGoProと同じようにフラットな動画を撮ることができます("360度じゃない標準的な動画"という意味)。
Insta360 X3の弱点
編集が面倒
普通のカメラで撮影した素材で編集する時と比較してひと手間増えます。
360度カメラ(撮影から編集までの基本的な流れ)
撮影 ⇒ リフレーミング ⇒ 編集 ⇒ エクスポート
リフレーミング:360度素材から自分が使いたいところを選ぶ作業
画質や音質はGoProよりも低い
画質
5.7Kや4Kで撮影しても、リフレーミングで画質が落ちます。フルHD(1080p)程度と考えたほうがいいかもしれません。
音質
マイクの性能はそこまで良くないです。外部マイクも使えますが、やや使いにくいです(360度撮っている関係上、外部マイクの一部が画面内に写りんでしまう可能性が高いため)。
撮影までの反応が若干遅い
電源ボタンを押してからの起動時間がやや長めです。GoProよりも録画開始までの時間がかかります。わずかとは言え、その数秒が意外と大事だったりします。
スロモ撮影向きではない
スローモーション撮影は3k100fpsが限界で、360度動画からの切り抜きになります。スロモ撮影するならGoProのほうが満足度が高いでしょう。
ラフに扱えない
両側にレンズが付いているので取り扱いに注意です。ラフに扱ったりするとレンズのダメージにつながります。GoProと違って一度レンズ部分に傷がつくとかんたんには交換できません。
ちなみに一応、自立しますが倒れるリスクを考えると現実的ではありません。使わない時はケースでレンズ部分を覆うなど最低限のケアが必須です。
どっちを選ぶ?
GoProに向いているパターン
画質にこだわる
GoProのほうが高画質で撮影でき、NDフィルターも使用できるため、映像は高品質です。風景撮影などはGoProのほうが細部まで再現される点でオススメです。
ただし、GoProだとX3で撮れる映像のような目新しさはありません。
ハイリスク撮影をする
GoProはサブスクプランで2回交換できるため、リスクをとった撮影には向いています。もともと頑丈なのでダメージに強いというのもあります。
喋りながら撮りたい
音声を撮る観点で言えば、GoProのほうが使いやすいです。マイク性能がX3よりも高いですし、アクセサリーによって外部マイクを使うこともできます。
X3でも外部マイクは使えますが、あまり使いやすいとは言えません。
迷ったらレンタルしてみるのもオススメ
 
X3に向いているパターン
ソロで撮る
X3は自撮りして全身がフレーム内に収まるので自分自身を撮るのに向いています。逆に自分以外の誰かを撮るならGoProを使って撮ったほうがいいかもしれません。
アクティビティに集中したい
画角はあとから選択できるので、撮影時はアバウトでも意外と大丈夫です。
画質・音質はあまりこだわらない
どちらかと言うとクオリティよりも目新しさ・楽しさを優先する人に向いています。画質的はそこそこレベルで音を撮るのにもあまり向いていません。
迷ったらレンタルしてみるのもオススメ
Insta360 X3を安くレンタルする方法
Insta360のカメラレンタルサービスと対応機種
Insta360 X3 | Insta360 ONE X2 | Insta360 ONE RS | Insta360 Go2 | |
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東京カメラ機材レンタル株式会社 | ||||
レンティオ | ||||
モノカリ | ||||
kikito | ||||
パンダスタジオ |
※レンティオは上記リンク経由でレンタルすると500円分割引になります。
最後に
選べましたか?どっちがいいとかではなくて結局、何を撮りたいかによりますね。
僕は両方使っていてケースバイケースでカメラを選んでいます。だいたい次のようなイメージです。
- 5.3K映像,スローモーション,タイムラプス ⇒ GoPro
- ドローン風に自撮りする, 乗り物を運転する(車,バイク,自転車,ゴーカート), AI編集 ⇒ Insta360 X3