Insta360 vs DJI。
今回は進化を続ける2社の正統派アクションカメラシリーズの現在を比較してみます。
この記事の対象者
- アクションカメラの購入を検討しはじめた
- Insta360 AcePro2とOsmo Action6が気になっている
- 自分の使い方にマッチするほうを知りたい
この記事でわかること
- 各カメラの強み・弱点
- あなたに向いているのはどちらか
今回比較するカメラ
Insta360 Ace Pro2
Insta360とライカの共同開発。「Ace Pro」の2作目。
キットを使った写真用カメラとしての使い道もあります。
OSMO Action6
DJIのアクションシリーズ「OSMO Action」の6作目。
従来のアクションカメラの常識を破り、可変絞り式が採用されました。
OSMO Action5 Pro vs Insta360 AcePro2 比較表
| Insta360 Ace Pro2 | Osmo Action6 | |||
|---|---|---|---|---|
| 発売時期 | 2024年10月 | 2025年11月 | ||
| ①デザイン面 | 重量 | 177.2g | 149g | |
| サイズ | 71.9 × 52.2 × 38 mm | 72.8 × 47.2 × 33.1 mm | ||
| バッテリー | 容量 | 1800mAh | 1950mAh | |
| 撮影可能時間 | 112分 4K30fps | 240分 (1080p24fps) |
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| 急速充電 | ||||
| スマホへの充電機能 | ||||
| ストレージ | SDカード | 最大1TB | 最大1TB | |
| 内蔵 | 50GB | |||
| スクリーン | 前面 | 0.7インチ | 1.46インチ | |
| 背面 | 2.5インチ フリップ式 | 2.5インチ | ||
| 本体防水性能 | 12m | 20m | ||
| 動作温度 | -20°C〜45°C | -20°C〜45°C | ||
| マグネット式マウント設計 | ||||
| ハンズフリー制御 | ボイスコントロール | |||
| ジェスチャーコントロール | ||||
| ②映像面 | センサーサイズ | 1/1.3インチ | 1/1.1インチ | |
| 絞り | f2.6 | f2.0~f4.0 | ||
| ISO | 100-6400 | 100-25600 | ||
| ダイナミックレンジ | 13.5 | 13.5 | ||
| 写真 | 50MP | 38MP | ||
| 標準 | 8K30fps 4K120fps | 4K120fps |
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| フリークロップモード | FreeFrame動画 4K60fps | 4Kカスタムモード 4K60fps |
||
| アクティブHDR | ||||
| 低照度撮影モード | 4K60fps | 4K60fps | ||
| 最大ビットレート | 180Mbps | 120Mbps | ||
| 画角 | ActionView MegaView UltraWide Dewarp FPV | Ultra Wide Natural Wide Wide Dewarp |
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| 最短撮影距離 | 37cm | 35cm | ||
| アスペクト比 | 16:9 4:3 2.35:1 | 16:9 4:3 |
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| ズーム | クラリティズーム | ロスレスズーム | ||
| NDフィルター装着 | ||||
| カラープロファイル | 標準 鮮やか Leica Natural Leica Vivid | ノーマル HLG |
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| Log | i-Log | D-Log M | ||
| ビット深度 | 8-bit | 10-bit | ||
| ビデオファイル形式 | H.265 H.264 | H.265 | ||
| 手ブレ補正 | オフ FlowState 低 FlowState 標準 FlowState 高 水平維持45度 水平維持360度 | 無効 RockSteady 3.0 RockSteady 3.0+ HorizonBalancing HorizonSteady |
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| マイク数 | 3 | 3 | ||
| ウインドガード | ||||
| 定価 | 本体のみ | 64,800円 | 61,270円 | |
マーカー部分は比較した時の強みです。
ここからは表をもとに両カメラのデザイン面や映像に関することを中心に比較します。
その後、それぞれのカメラに向いているパターンをまとめることにします。
Insta360 AcePro2の特徴
- フリップ式スクリーン
- 8K撮影
- AIによるノイズ処理(夜間)
- 写真解像度50MP
- スマホへの逆充電機能
- サイズ感(重さ)
- 簡素化された前面スクリーン
- 固定絞り式
- 内蔵ストレージなし
- 10bitカラー非対応
OSMO Action6よりも良い点
フリップ式スクリーン
背面スクリーンの角度を変えられるのは以下の点で便利です。
自撮りでのメリット
- 自撮りで画角を確認しやすい・設定を変更しやすい(背面に回り込む必要がない)
- ローアングル撮影でも画角を確認できる
8K撮影と写真解像度
8K動画撮影・写真解像度・最大ビットレートといった要素に関してはAcePro2に分があります。
写真解像度
- Insta360 Ace Pro2:5000万画素
- OSMO Action6:3800万画素
AIで夜間のノイズが目立ちにくい
ノイズの観点で言えば、カメラ内部でAIで除去するため、目立ちにくいです。
(Action6はノイズを除去するというよりは大きいセンサーによって物理性能で勝負する方向で設計されています)
スマホを充電できる
AcePro2をモバイルバッテリーとしてスマホを充電できます。
スマホのほうが先にバッテリー切れになった緊急事態などに活躍します。
その他
AcePro2はAction5 Proよりも多機能で撮影モードが充実しています。
Action5 Proには搭載されていない機能
- 録画の一時停止・キャンセル機能
- アプリでのモーションブラー
- AIハイライトアシスタント(AIによるベストシーンのピックアップ)
- 測光モード(顔優先あり)
OSMO Action6よりも劣る点
サイズ感はやや大きい
Action6よりも本体サイズが大きくて重くなります。
わずかとはいえ、長時間使ってると重さによる疲労感への影響が違います。
SDカード方式
Action6はSDカードがなくても内蔵ストレージに記録できますが、AcePro2ではSDカードが必要です。
(SDカードを忘れることは比較的よくあることなので案外大事なところです)
簡素化された前面スクリーン
AcePro2のフロントスクリーンはサイズが小さめです。
表示できるのは文字情報だけとなっています。
10bitカラー撮影非対応
Ace Pro2は8bitです。
8bit vs 10 bit
- 8bit:約1600万色
- 10bit:約10億色
8bitでは表現できる色が10bitよりも少なく、色編集の際に色ムラが発生しやすくなります。
編集の程度にもよりますが、8bitカラーの動画素材は空などグラデーション部分に縞々が入ることがあります。
原因は8bitで再現できる色が10bitカラーよりも少ないためです。
Insta360は他社が10bitカラーをスタンダードにしている中で、この部分はやや遅れています。
OSMO Action6の特徴
- 1/1.1インチスクエアセンサー
- 可変絞り
- 10bitカラー撮影対応
- 外部マイクの使いやすさ
- 固定式モニター
- 8K非対応
- 写真解像度
Insta360 AcePro2よりも良い点
1/1.1インチスクエアセンサー
センサーサイズが大きいのでより多くの光を取り込むことができ、
高画質,高感度性能,ノイズ耐性などに有利に働きます。
可変絞り
光のコントロールがしやすくなっています。
耐久性が高い
Action5 ProはInsta360 Ace Pro2よりも故障リスクが低いと考えられます。
- フリップ式スクリーンがない
- 本体の防水性が高い
10bitカラー撮影対応
カラーグレーディングには10bitカラー対応のAction6のほうが有利です。
外部マイクの使いやすさ
純正のDJIマイクを2台まで使えます。
Ace Pro2はアクセサリー(外部マイクアダプタ)を使う必要があり、接続できるマイクは1台です。
Insta360 AcePro2よりも劣る点
固定式モニター
モニター固定式デザインは構造がシンプルで壊れにくい(アクション撮影での安心感)反面、自撮りやローアングル撮影、太陽光の反射(見づらい)などに弱いです。
8K非対応
8Kに対応していません。
ただし、実際問題として使う人が限られるために非搭載というのもありそうです。
写真撮影能力
写真用途でも使うならAcePro2が向いているかもしれません。
ストリート写真や旅行のためのデザインされたストリート撮影グリップセットがあります。

Insta360 AcePro2に向いているパターン
- 汎用性を求めている
- あまりカラーグレーディングをしない
- 写真撮影用途でも使いたい
 
Vlog用途での使いやすさを求めている
フリップ式スクリーン・測光モード(顔優先)などはAction6よりも進んでいます。
測光モードの顔優先は極端な撮影環境(明るすぎる・暗すぎる)でもできるだけ顔の情報を残す設定です。
カラーグレーディングよりもフィルター派
Ace Pro2でもカラーグレーディングはできますが、基本的にカラープロファイルを使って仕上げるような方向でデザインされています。
一方、Osmo Action6はフィルムトーン風の色合いに変えられるカラープロファイルもありますが、それ以上にカラーグレーディングができるような方向で作られています。
Insta360公式サイトへ飛びます
OSMO Action6に向いているパターン
- 激しい撮影にも耐えられるタフさを求めている
- 10bitカラーで撮影したい
アクションシーンやエクストリームスポーツで使う
アクションスポーツなど本来のアクションカメラの使い方にはAction6のほうが向いています。
AcePro2のデザインと比較すると故障リスクが低いです。
カラーグレーディングをしたい
Action5 Proは10bit Log撮影に対応しており、色編集の点で優秀です。
撮影でより多くの色情報を残しておけるため、一般論としては高品質な画像になります。
最後に
迷ったらだいたい次のように考えればいいと思います。
Vlog優先 ⇒ Insta360 Ace Pro2
ハイブリッド(アクションとVlog) ⇒ Osmo Action6
撮影スタイルによって選ぶ感じですね。
よければアンケートに投票して教えてください。
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