Photoshopと言えば、今や誰でも手が届く画像編集ツールですが、使いこなすのが大変というのはあまり以前と変わっていません。
何も知らずに始めると無駄に苦労するので、事前にできるだけわかっていたほうがいいことをまとめます。
Photoshopの始め方・上達のコツ
手順①目標設定:作るものを決める
Photoshopでは本当に色々なことができます。
ただ、それと同時に上級者や開発者でさえもすべてを把握しきれてないくらい多機能なソフトになっており、同じ結果を得るのにも複数の方法が存在します。
何を作るかによっても使い方が全然異なるので「まずはすべてを把握してから何を作るかを決める」というアプローチだと結局何もつくれないんですね。
なので、まずは先に目標を決め、そこから逆算して必要な機能を学んでいくのがポイントになります。
現時点で作りたいもののイメージが思い浮かばない場合、まだ始めるタイミングではないかもしれないですね。
手順②環境づくり:最低限、必要なものを揃える
もし僕が完全初心者から「Photoshopをやりたいんですけど、何が必要ですか?」と聞かれたら2つだけでいいと答えます。
必要なもの
- メモリ8GB以上のPC
- Adobe フォトプラン(月額980円)
メモリ8GB以上のPC
スペックの低いPCしか持ってなければ、買う必要があるでしょう。
初期費用の目安としてはWindowsなら7万円〜10万円未満、Macなら10万円~15万円の間くらいです。
ちょっと高いと感じるかもしれないですが、4年くらいは余裕で使えるので月額換算すると1,500円〜3,000円程度です。
(多分、PCは他の用途にも使うはずなので実質だと月額1,000円もしないかもしれないですね。)
ちなみに僕が使っているのはメモリ8GBのMac miniです。
なお、クリエイターはAppleを使ってるイメージがあるので「やっぱりMacのほうがいいですか?」と聞かれそうですが、Windowsでもまったく問題ありません。
個人的にApple製品は買い換える時に高値で売れるのが気に入っています。
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別に持ってなくてもいいもの
イメージ的に勘違いしがちですが、Photoshopを始める時点で以下はなくても問題ありません。
- ペンタブ
- iPad Pro
- 絵を描くスキル
- センス
多分、必要だと思えばいつの間にか手元にあります。
センス的なものも本当に必要なら調べて試行錯誤しているうちについてきます。
手順③基本的な部分は経験者にマンツーマンで習う
Photoshopの操作ってぶっちゃけ「書籍」や「ネットのテキスト情報」で見るとかなりわかりにくいです。
操作過程が見えないから、なぜかやけに難しくみえるんですよ。
あと頻繁にユーザーインターフェイス(操作画面の見た目)がアップデートされることもあり、テキスト情報では最新情報へのキャッチアップできません。
少なくとも僕は今までに文章で書いてあるチュートリアルを最後まで読み切った記憶はないですね。
なので本当にはじめて触るようなド素人状態なら、最初は画面を経験者に共有しながら教えてもらったほうが良いです。
そのほうが苦手意識を持つことなく使えるようになります。
必ず使うであろう、必須スキルはそこまで多くないので最重要なものを後でまとめます。
Photoshopは難しいですが、勘のいい人であれば、ある程度は使えなくもないので我流でできてしまうかもしれません。
ただ、何も見ずに自分で使いこなせるほど浅いソフトではないです。
その場しのぎの使い方をするのではなく、今後も使えるようになりましょう。
ちなみに「まわりに経験者がいないんです。」という場合でも今の時代、解決策はあります。
このあたりの話も後ほど紹介します。
手順④YouTube動画で学ぶ
基本的なことが身についたら、YouTubeにあるPhotoshop関連の動画で自習できるようになります。
繰り返しになりますが、テキスト情報よりも動画がオススメです。
多分、③をすっ飛ばして、いきなり動画を見てもついていけないですが、基本操作がわかった状態で動画を見れば、かなり理解できます。
特に海外のトップYouTuberはレベルが高い上に、素材を配布してくれるので英語ができるなら見ないと大損です。
見て間違いないと思うチャンネルがあるので、後ほど紹介します。
手順⑤作ったモノを公開する
自分だけで完結するんじゃなくて他人の目につく形にするという意味ですね。
リアルに見てもらう人がいない場合でもSNSで投稿してみたり、ブログに使うなどでOKです。
そんなにたくさんの反応はないかもしれないですが、わずかでもひと目に触れさせることによって今後の課題が見えてきます。
ツイッターとかインスタのようなSNSだと発見されないことのほうが難しいですから、他人の反応を見るのには向いているかもしれません。
手順⑥繰り返し
しっかり身につくまでは何回もやらないと忘れるので繰り返します。
自分の制作物によく使われている実践的なスキル+ショートカットキーを覚えるまでやりましょう。
繰り返しは本当に効果があります。
僕が一番最初にPhotoshopを使ったのは写真館で短期のバイトをした時ですが、1日8時間以上使っていたのでさすがに覚えようとしなくても覚えちゃってました。
具体的には、七五三の写真を大量に処理するオペレーターをやりました。
バッチ処理(大量の写真をプログラミングで自動処理すること)や色味の修正、トリミングなどの簡単な作業が多かったですね。
⑦番外編:稼いでみる
仕事としてPhotoshopを使うと嫌でもやらざるを得ないので成長は早いと思いますね。
というか、むしろ身につくまでは仕事として使わないと覚えられない気もします。
実際に僕は1日8時間(週40時間)くらい使ってた時期があるおかげで身についたと思っています。
Photoshopを使う上で最初に覚えたい必須スキル
最重要だと思われることにフォーカスします。
【最初の難関】理解すべき概念
とりあえず恐れることなく手を動かしてみることはもちろん大事ですが、まずは腰を据えて理解すべき重要概念がいくつかあります。
- レイヤー
- 選択範囲
- マスク
- クリッピングマスク
- 描画色と背景色
- パス
- スマートオブジェクト
Adobeのデザインソフトを使ったことがないと馴染みのない専門用語かもしれませんが、ここの理解をおろそかにすると必ず詰みます。
勘がいい人だと自己流のその場しのぎでデータを作れるかもしれないですが、後から修正できないデータを作ってしまいがちなんです。
その結果、何時間もかかったデータに修正が生じても、対応できません。
またゼロからやり直しってなったら悲惨ですよね。
もし、僕がPhotoshopの講師をやるなら序盤に扱います。
とにかくよく使う機能
続いては手を動かしつつ覚えていく部分です。
- 選択ツール
- ペンツール
- テキストツール
- ブラシツール
- スタンプツール
- グラデーションツール
- ものさしツール
- 調整レイヤー(トーンカーブ, 塗りつぶしレイヤーなど)
- レイヤースタイル(ドロップシャドウ, カラーオーバーレイなど)
- 描画モード(乗算, スクリーンなど)
- 透明度
- コンテンツに応じた塗りつぶし
以上が頭に入ってないとその場しのぎの使い方になってしまうでしょう。
ここまでの話を聞いて自信を喪失したかもしれませんが、Photoshopを使える人であればわかる内容ばかりです。
何をつくるかにもよりますが、じつは制作物ごとに使う機能は意外と限られています。
経験者に聞けば苦戦せずに済むので、最初に経験者に習ってしまうのもありかもしれません。
そのほうが教本を買ってきて1ページ目からやるよりもよほど早く上達しますよ。
Photoshopを経験者から習う方法
経験者に教えてもらう選択肢として、「一般的な方法」と「裏ワザ的な方法」を紹介しておきます。
一般的な方法① 対面で習うならストアカが人気
スキルを持っている人とスキルを習いたい人のためのマッチングサイトとして有名な「 ストアカ 」というサービスがあります。
趣味やビジネスのスキルを個人から習えるので安くて人気です。
そのストアカにPhotoshopを教えてくれるコースもあります。
もともとは直接対面で習う講座が多かったんですが、最近はオンライン対応をする講師も多いです。
住む場所も気にする必要はありません。
ちなみに僕は以前、ストアカを通して2回ほど撮影スキルを習いました。
動画撮影を本格的にやろうと思い、#ストアカ の講座に参加してきた
8割くらい知っていることだったけど、2割の知識は見落としてたから参加してよかった
独学もいいけどなんだかんだ経験者に金を払って学ぶのが一番早い pic.twitter.com/ERi8HVSkqP
— コロナ後に移住するKyL?? (@KYL_desu) February 15, 2020
経験者から講義を受けた後、マンツーマンで実戦形式でみっちり教えてもらえたのでかなり有益でしたよ。
Photoshopの講座は受けたことがありませんが、多分いい感じで習えるはずです。
まあ、さすがに1回で完璧になることはないでしょうが、最初の一歩目を完全独学で歩みだすよりは遥かに早いロケットスタートを期待できます。
やはり最初に基本操作の部分を習得した上で自習するのでは後の伸び方がまったく違うんです。
補足:講座選びについて
ちょっとここで付け加えておくと、講座選びには注意する点があります。
何かというと、選ぶべき講座はあなたの目的によって変わってくるということ。
そこは明確にしてください。
例えば、
画像編集(モデルの写真を補正するなど)のためにPhotoshopを使いたいのか
Webデザイン(バナーやサムネイル作成)のためにPhotoshopを使いたいのか
などそれぞれ習うべき講師が違います。
失礼を承知で書くと写真を撮るのがお仕事の人はデザイン的なリテラシーがないケースが目立ちます。
一般的な方法② 有名なスクールのオンライン講座を受講する
Photoshopについて興味がある人は、多分、デジタルハリウッドっていうデザインや映像のスクールについて、広告等で見たことがあると思います。
デジハリでは入門的なことを動画で学べる講座があるので、家で受講して独学することも可能です。
個人的に入門は海外のYouTubeを見て無料で学ぶことを推奨したいですが、英語がわからない人のほうが多いので現実的ではありません。
また、知識がまとまっているわけではないので体系的に学ぶのも難しかったりします。
その点、人気のあるスクールが提供している動画講座なら体系的に日本語で学べる点でリアルな解決策かと思います。
裏ワザ的な方法:仕事で覚える
いまはコロナなので完全初心者向きの仕事を探すのは大変かもしれないですが、Photoshopを使うような現場で働くのがベストです。バイトでもいいと思いますよ。
ぶっちゃけ僕も未経験で写真館のバイトに潜り込み、経験者から0円でわからないところを聞いて覚えた人間です。
広告業界にいたので使い放題だったのもラッキーでした。
お金をもらいながらスキルを学べるなんて今思えばありえない話ですね。
具体的な探し方の提案ですが、ツイッターとかでたまに人が足りないと言っている人がいるので声をかけまくればいいと思いますよ。
(基本的に経験者が優遇されると思うので自己アピールが苦手ならスキルゼロだと厳しいかも。有料で習ってポートフォリオを作った上で応募することをオススメします。)
個人的によく見ているYouTubeチャンネル
Photoshop初心者レベルを脱したらYouTubeで学ぶのがベストだと思っています。
新しいテクニックに気付いたり、重要なショートカットキーとかも何回も見ているうちに覚えられます。
僕は英語のチャンネルを参考にしていますが、英語で見ることに抵抗がなければ参考にしてみてください(ぶっちゃけ英語のチャンネルの情報量の豊富さはガチでレベチです)。
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