Insta360社からInsta360 Flowのレビュー依頼がありました。
iPhone15 Proで使ってみたのでそのあたりも踏まえてレビューします。
この記事の対象者
- スマホ用ジンバルを探し始めた
- 他社のジンバルと迷っている
- 今使っているジンバルより良ければ買い替えたい
この記事でわかること
- Insta360 Flowでできること・使用感
- メリット・デメリット
- 必要性
Insta360 Flowはどんなジンバル?
AI追跡搭載が売りのInsta360のジンバル(iPhone&Androidに対応)。
スマホでの動画撮影時に使う手ぶれ感を物理的に軽減するためのガジェットです。
Insta360社としては初のジンバルになります。
Insta360 Flowを使ってみた
Insta360 Flowはこんな使い方ができます。
手持ち撮影
手持ち撮影で次のような方法を試してみました。
目線の高さを変えて撮るとアクセントになります。
「上から下」または「下から上」のような動きもジンバルだと安定します。
水平方向の移動もスマホを手で持って撮った時より安定してます。
固定撮影
本体に内蔵された三脚も活用してみました。
ディープトラッキングによって被写体に追従してカメラが動くのでワンオペでも他の人が撮っているような感じを出せます。
その他の使い方
モバイルバッテリーとしても使えます。
ただし、このようにジンバルを閉じた状態だと給電できません。
その話はInsta360 Flowの課題のところで補足します。
スマホジンバルって必要?
結論から言うとケースバイケースです。
僕自身は使ったり使わなかったりしてます。
参考までにその理由を紹介します。
ジンバルを使わない理由
- スマホカメラの手ブレ補正で十分
- スマホ以外のカメラもあるので荷物を増やしたくない
- セットするのが面倒
- 水で壊れたら嫌だ
ジンバルを使う理由
- スマホカメラの手ブレ補正だと画角が狭くなる
- 滑らかに撮りたい
- 暗いところできれいに撮りたい
- ジンバルを使わないと撮れないショットがある
スマホの手ブレ補正は電子的にブレを修正するのに対して、ジンバルは物理的にブレを軽減します。
なので、①②③のような場面ではジンバルを使ったほうが有利です。
④はどういうことかというとInsta360 FlowのAIトラッキング機能が関係しています。
トラッキング機能についてはあとで深堀りします。
Insta360 Flowを使っていて気に入ったポイント
ハードウェア面
サイズ感
使わない時はポケットに入るくらいのコンパクトさです。
マグネット式
撮りたくなった時に瞬時に準備できるのがいいです。
長時間バッテリー(バッテリー容量は2900mAh)
いままで使ったことがあるジンバルよりも充電がもちます。
スペック表の通りなら12時間稼働です。
本体にはINとOUTの2種類のポートがあり、OUTを使うことでライトやスマホへ給電できます。
(ちょっとしたモバイルバッテリーです。)
アクセサリーシュー
外部マイクを付けるところがあるので音声を残すのにも便利です。
内蔵式自撮り棒(延長ロッド)
カメラとの距離感を調整して自撮りできます。
ローアングルやハイアングルにも対応可能ですね。
ソフトウェア面
AIトラッキング性能(ディープトラック 3.0)
3つの点で感心しました。
特定の被写体を認識する能力がとにかく高いです。
正面から見た被写体の姿だけじゃなくて横から見た時の姿も認識するのであまりフレームアウトしません。
柱に隠れてもトラッキングを継続します。
トラッキング時、被写体の位置はド真ん中だけじゃなくて、左右に寄せることも可能です。
(トラッキングボックスが出た状態でジョイスティックを使って移動します。)
ディープトラック3.0を使うメリット
- 動く被写体でもフレームイン状態をキープ
- ワンオペでも誰かに撮られている感が出る
- カメラの角度調整が不要になる
例えば、次のような使い方ができそうです。
- 運動会で自分の子どもだけを撮る
- 公園でペットの犬を追いかける
- カメラのほうを見ずに自撮り
ジェスチャー操作
ジンバルから離れて撮りたい時はカメラに向かって手を挙げるだけで録画が開始できます。
録画を停止したい時も同様にカメラに向かって手を挙げると止まります。
編集ジーニー (Shot Genie)
撮影のアイディアが思いつかない時は編集ジーニーが便利です。
アプリが起動した状態で編集ジーニーに「どこで何を撮影しているか」を伝えます。
すると「そのシーンに応じたいい感じのテンプレート」を提案してくれます。
ソロで森歩き
完成に必要な5〜6ショットとシューティング(撮影)のチュートリアルがついているので初心者でも使いやすいです。
Insta360 Flowの課題
Insta360 Flowは全体的に使いやすいジンバルですが、伸びしろはまだあります。
マニュアル設定で使いにくい
オートで撮影する人はあまり気にならないかもですが、マニュアルで撮影設定(露出など)を変えたい人にとってはInsta360 Flowはアプリ内でできる設定が限られています。
よく使う設定をカスタム登録しておくような機能もありません。
なので、こだわる人には減点要素となるかもしれません。
▲マニュアルモードだけどEVを変更できない
厳密に言えば、マニュアル設定する方法はあるのですが、やや手間がかかります。
(Insta360アプリをバックグラウンドで起動させたまま、他のカメラアプリで撮影)
急速充電できない
Insta360のアクションカメラの中には20分くらいの充電でバッテリー80%までクイックチャージできるモデルがあります。ジンバルでもこれと同様の機能がほしいです。
セットしないとモバイルバッテリーにならない
Insta360 Flowをモバイルバッテリーとして使うのは案外不便です。
ジンバルを使ってないスキマ時間にカバンの中でちょっとスマホを充電しておくみたいな活用ができないのです。
給電の方法
Step1 ジンバルの電源を入れる
Step2 スマホをジンバルにセットする
Step3 ケーブルでジンバルとスマホを接続
給電開始
Insta360 Flowは畳んだ状態だと電源がオンにならないため、展開しないといけません。
また、スマホをセットしておかないとFlow本体の自動スリープが発動してしまい給電が止まります。
これが使いにくさにつながっていると感じます。
内蔵三脚の質が実は低め
三脚が内蔵されているのは助かるんですが、質はそんなに高くないです。
個人的には以下の3点が気になりました。
作りがややチープ
長期的に使えるか不安です。
安定感が低い
安定感があるとはいい難く、室内ならいいですが、屋外で使うのに躊躇します。
「もしこれ、倒れたら絶対無傷じゃ済まないな」などと嫌な予感がするからです。
なので三脚の質は重視しています。
三脚が重要な2つ目の理由はブレるとタイムラプスの出来が悪くなるからです。
手ブレを軽減するガジェットなので、せっかくなら置いた時の安定感も完成度が高いとうれしいです。
使い終わった後のしまいにくさ
戻す時にもたつきます。
持ち手部分が短い
たたんだらサイズ感がスマホと同じくらいのコンパクトなデザインですが、その分、グリップ部分が少し短めです。
このように持ってみたらぎりぎりになりました。
手が大きい人はホールドしにくいかもしれません。
三脚部分を引っ張り出せば解決するんですが、「なんかちょっと不便」に感じました。
Insta360 Flowを買う前に知っておきたいポイント
Androidでも使えますか?
よほど特殊な機種でなければ使えます。
ただし、一部の機能は機種によって違いがあります。
iPhoneとAndroidで違いがある部分
- 最大動画解像度@fps
- マニュアル露出
- ワイドスクリーン
- スローモーション
- バスケモード
- フェイスフィルター
9割以上はiPhoneとAndroidで共通ですが、どちらかというとiPhoneユーザーに有利な気がしました。
例えば、iPhoneは4K@60fpsに対応してるのにほとんどのAndroidでは4K@30fpsまでしか使えないなどです。
スマホの標準カメラアプリで撮れますか?
撮れます。
最も基本的なのはInsta360のアプリを使うことですが、スマホにはじめから入ってるカメラアプリを使って撮影することもできるほか、自分で追加したカメラアプリ(Blackmagic Cameraなど)も使えます。
Insta360のアプリで撮らない理由とは?
Insta360のアプリだと変更できない設定があるからです。
使うカメラアプリによって動画の質感が変わります。
シネマティックモード:映画のように背景ボケのある映像を撮れるモード。iPhone13以降の純正カメラアプリに搭載されている
Apple Log:Log撮影用モード(編集時により柔軟に映像の色味・明るさを調整できる)。iPhone15 Proシリーズにのみ搭載されている
ジンバル初心者でも使えますか?
いくつかの点で他社のジンバルよりも初心者に優しいです。
- オートモードがある
- 編集ジーニー(撮影テンプレート)がある
- 瞬時に展開・取り外しできる(装着が簡単)
なので、「初心者が使いやすいジンバルは?」と聞かれたら今はInsta360 Flowと答えます。
買ったら最初にやること
次の3ステップで使いはじめられます。
Step1 スマホにInsta360のアプリを入れる
Step2 アプリでスマホとジンバルをブルートゥース接続
Step3 準備完了
ただし、ジンバル操作は奥が深いので注意
ジンバルをちゃんと活用するのはなかなか難易度が高いと感じます。
複数のモードについて理解したり、カメラワークの練習も必要です。
Flowのモード
- オート
- F
- PF
- FPV
- ロック
※アクティブプラスモードがオンの状態だとより速く追従
撮影中でもインカメラとアウトカメラの切り替えはできる?
できます。
録画状態を中断することがないのでスムーズです。
バッテリーのもちはどう?
スペック的には12時間稼働できます。
そんなに長時間使うのでなければ十分な長さです。
防水ですか?
防水ではありません。
雨や水に濡れるようなシーンではアクションカメラを選ぶのがオススメです。
なので濡れたら即アウトではないようです。
DJI OSMO MOBILE6とはどう違う?
DJI社のスマホジンバル(OMシリーズ)はすでに6世代分の実績があり、人気も高いです。
次のようなポイントでInsta360 Flowと違いが見られます。
- バッテリーライフ
- コントローラーのデザイン
- オートトラッキング性能
くわしくは以下のページでまとめています。
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Insta360 Flow vs DJI OM6 どっちを選ぶ?
Insta360がスマホジンバル「Insta360 Flow」を出しました。 これまでスマホジンバルの定番と言えば、DJIのOSMO MOBILEシリーズでしたが、Flowのほうがいいなんて声も目にし ...
続きを見る
あったほうがいいアクセサリーは?
特別な使い方をしないなら標準版のパッケージに含まれているもので十分です。
あれば便利なのはアウトドア三脚でしょうか。
本体に内蔵されているものよりも安定感がありそうです。
どこで買えばいい?
Insta360公式サイト
限定キャンペーン中
現在Flowの期間限定キャンペーンが行われており、割引価格で入手可能です(無料ギフト付き)。
対象モデル | 通常価格 | 限定価格 | OFF率 | ||
通常版 | 20,900円 | 19,220円 | 8% | ||
プロ三脚キット | 26,000円 | 23,810円 | 8% | ||
クリエーターキット | 28,000円 | 24,640円 | 12% |
購入者特典の無料ギフト
通常版またはプロ三脚キット購入者(3,730円円相当のスポットライト)
クリエーターキット購入者(5,170円相当のアウトドア三脚)
保証追加(故障時に安心)
Insta360 Care追加で1年間の修理無料が受けられます(往復送料込み)。
Insta360 Flowはどんな人にオススメのジンバルか
- スマホの手ブレが気になる人
- 使いやすいスマホジンバルを探している人
- トラッキング機能が必要な人全般(映像制作者, ライブ配信者, パフォーマー)
Insta360 Flowが活躍する場面
散歩, 旅行, Vlog, スポーツ観戦, 音楽ライブ
ジンバルはプロや上級者だけのアイテムではありません。
楽しい旅行の思い出も動画の手ブレ補正が効いていれば、後から見返してより没入できるはずです。
Insta360 Flowのレンタルサービス
しっかり試してから買うのが新常識
最近のレンタルサービスには返却せずそのまま購入できるサービスもあります。
本当に気に入ったら買い取るくらいのノリでまず気軽に使ってみてから判断するのも悪くないと思いますよ。
迷ってる人にオススメです。
料金表
Insta360 Flow | 追加費用 | ||
---|---|---|---|
kikito | レンタル価格 | 4,380円(3泊4日) | |
買取価格 | 20,000円 | ||
レンティオ | レンタル価格 | 3,480円(3泊4日) | |
買取価格 | 21,000円 | ||
パンダスタジオ | レンタル価格 | 1,650円/日 | 送料別 |
注意点
※2024年4月調査時点の価格(税込)です。
最後に
使ってみたレビューは以上になります。
よく使う設定や各モードについてはInsta360 Flowの使い方|動画用の設定やモードはどうする?でまとめています。
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Insta360 Flowの設定
しばらくInsta360 Flowを使って遊んでいるうちに「定番の設定」や「モードの使い分け」が固まってきました。 Insta360非公式版の初心者マニュアルとして勝手に紹介します。 この記事の対象者 ...