a7IIIとa7cはほぼ同額かつ機能的にも似てるのでどっちがいいか決められない人もいるかもしれません。
僕はもともとa7IIIを使っていてa7cに乗り換えたのですが、両方使った経験から、良い点悪い点などわかっているつもりです。
両モデルを比較しつつ、知っておいたほうがいいことをまとめてみます。
ちなみに動画の話がメインなので写真撮影メインで考えている場合は話が合わないかもしれません。その点は予めご注意ください。
今回比較するカメラ
a7III
画質、感度など各項目で合格点を満たしており、どんな使い方にも卒なく対応できる万能型モデル。逆にそこが受けて爆発的に売れた名機です。
a7IIIきっかけでキャノンやニコンからソニーに乗り換えたユーザーも多いと聞きます。
a7c
世界最小のフルサイズミラーレスとして登場したカメラです。
よくa7IIIの小型軽量化したモデルだと言われています。
a7III vs a7c 動画撮影に関する比較表
a7III | a7c | ||
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発売時期 | 2018年3月 | 2020年10月 | |
①使いやすさ | サイズ | 126.9 x 95.6 x 73.7 mm | 124 x 71.1 x 59.7 mm |
重さ (バッテリー&メモリカード込) | 約650g | 約509g | |
カラーバリエーション | ブラック | ブラック シルバー |
|
バッテリー時間 (連続動画撮影時) | 115~210分 | 140~220分 | |
動画連続記録時間 | 29分 | 無制限 | |
メモリーカードスロット | デュアル | シングル | |
モニター | チルト式 | バリアングル | |
②映像品質 | センサー | フルサイズ | フルサイズ |
解像度 | 4k 30p HD 120p | 4k 30p HD 120p |
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手ブレ補正 | 5軸補正 | 5軸補正 | |
AF性能 (リアルタイムトラッキング) | |||
本体定価 | 252,868円 | 240,900円 |
以上、動画撮影において重要な項目を表にまとめてみました。
a7IIIの後から登場したa7cはどこが進化したのか、両カメラにおいて重要なポイントを補足しつつ、a7IIIの良い部分も解説します。
a7cになって変わったこと
軽量化された
もっともわかりやすい変化は軽量化です。
サイズ感がコンパクトになり、141gほど軽くなっています(バッテリーとメモリカードを含む重さです)。
連続撮影時間+バッテリーのもち時間が伸びた
バッテリーのもち時間
バッテリーはまったく同じものが使われてますが、a7cのほうがバッテリーが10分程度長くもつようになりました。これは地味ですが、重要なアップデートと言えます。
連続撮影時間
a7IIIは連続してずっとカメラを回しっぱなしにすることができませんでした。(29分で一旦録画がストップするため、続けて撮りたい場合はもう一度録画ボタンを押す必要があります。)
一方、a7cは特にそういった縛りがないのでずっと回しておくこともできます。撮影スタイルにもよりますが、29分だと足りないケースもあり得るのでa7cのほうがいいですね。
AF性能が高くなった
a7IIIだと「リアルタイムトラッキング」がついていなくて、動画撮影中、意図しないところにピントが行ってしまうこともありました。
写真ならピンぼけもエモくて良かったりしますが、動画だと途中でピントが外れたり、また戻ったりみたいな感じは質が低く見えます。あと、取り直しができないことも多いので困りますよね。
モニターのデザインがフリップ式に変わって自撮りしやすくなった
a7IIIは動画撮影時に自分の姿を確認することができませんでした(厳密に言えば方法がありましたが、追加の機材が必要だったり実用性が乏しかったです)。
a7cになって自撮り問題に関しては完全に解消されています。
a7IIIでは自撮りできない
a7cだと自撮りできる
WEBカメラとしてもいい
最近はオンライン会議が増えてますが、WEBカメラとして使うならやっぱり便利なのはモニターが自分の方に向けられるa7cだと思いますね。
ソニーのカメラはWEBカメラとしても使えるようになっています(a7IIIもa7cもどっちも使えます)。
a7IIIのほうがいい点
コンパクトになったことで犠牲になった部分があります。なので必ずしもa7cが良いわけではありません。(人によってはa7IIIを選んだほうがいい場合もあります。)
バックアップをしっかりとれる
メモリーカードの故障などに備えるならa7IIIのほうが安心感はあります。
a7IIIならメモリーカードが2枚挿せます。これはプロ仕様のカメラであれば当然の機能です。プロは仕事で使うとなると撮り逃しは許されません(例えば、結婚式の撮影をまかされたカメラマンとか)。
a7cは1枚しか使えないので重要なシーンで使うにはリスクがあるカメラと言えます。なので、バックアップが必要ならデュアルスロットのカメラを選ぶほうがいいです。
ファインダー(EVF)が見やすい
動画ではそんなに使わないですが、ファインダーを覗いた時に、a7IIIのほうが被写体をより大きく確認することができます。
a7cを選ぶ前に知っておいたほうがいいこと
本格的に動画を撮るならもっといいカメラはある
a7cはある意味で中途半端な機種なので動画に全振りする人の機種ってわけでもありません。そこそこで満足できる人のカメラです。
動画にこだわるやはりa7sIIIを選んだり、他の動画用のカメラを選ぶといいと思います。
予算を確保できるならa7sIIIはオススメ
動画性能を追求するなら現段階ではa7sIIIのほうがスペック的によりふさわしい機種です。(a7cより20万円ほど高くなります。)
a7sIIIの4Kスロー撮影、手ブレ補正の完成度、暗所性能は本当に魅力です。
a7シリーズの話は↓にまとめています。違いを知りたい場合は続けて読んでみてください。
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動画撮影ビギナーズガイド|ソニーa7シリーズの選び方
僕がはじめてミラーレスを買った時、「スマホよりワンランク上のものがほしい」くらいで知識なしのド素人でした。 当然、ソニーのα7シリーズ(α7 / α7R / α7S / α7C)は何が違うのかなんてさ ...
勝手に回答
僕がわざわざなぜ乗り換えたのか?
画質的には普通にa7IIIで十分に満足していたんですが、重さとか自撮りしづらいのが気になっていました。持ち歩くのをためらうことも多かったです。
a7cになれば持ち歩く機会が増えて撮影スキルの向上も期待できると考えたからです。
バッテリーで悔しい思いをしたのも一因
実は僕はa7IIIのバッテリーで一度悔しい思いをしています。
サッカーを見に行った時、前後半合わせて90分は普通に撮れたものの、その試合が延長+PKまでもつれ込み、最後は撮り逃しました。
バッテリーがあと10分でも長ければ試合を通して動画に収めることができたはずなので若干トラウマでした。
a7sIIIを選ばなかった理由
ほぼ同時期にa7sIIIも発表されましたが、自分の使い方的にコスパが合いませんでした。
a7sIIIにすると動画ファイルが重くなるので編集も大変になります。そうなるとハイスペックなPCへの買い替えやストレージ容量への追加も検討が必要になります。ざっとコストを見積もると+40万円以上です。
僕が動画をアップするのはどうせスマホで見られるようなSNSとかなので、もう少し先になったら検討したいです。
色はなぜブラックを選んだのか?
シルバーのほうが人気が高そうでしたが、個人的にはブラックを選びました。(実際に発売前、僕がソニーストアに行った時もシルバーに触る人のほうが多かったです。)
理由は3つあります。
映り込みを避けたい
シルバーだとシルバーの部分が、光の加減で反射して写ってしまったりする可能性がブラックよりもあるんですよね。それをできれば避けたかったからです。例えば、電車で窓の外を撮ったり、高層ビルのレストランから夜景を撮る時とかです。
傷とか汚れを避けたい
将来的には売るかもしれないので、傷や汚れがついて査定が下がるのは嫌だったからです。似たようなデザインの中古カメラを見るとなんとなく使い込んだ時の想像がつきます。
あまり好みのシルバーじゃなかった
実物を見た感じで決めました。ネットとかの画像で見るのと実物では印象が違います。
あと別にカメラで主張しなくてもいいですよね。個人的にはいかにもカメラを撮ってる感を出したくないのでなるべく目立たなくていいかなって感じです。
カメラが黒いと黒い上着を着た時に馴染んで、撮影してる感が軽減される気がします。
最後に
結論として動画メインで使う分にはほとんどの人にa7cをオススメします。
一方でミスが許されない現場で使ったり、もっと高品質なモデルを求めている場合には他のモデルも検討してみてください。