動画編集を続けていると、あるタイミングでふと気づく。
「やっぱりプロ向けのソフトが強いな」って。
無料ソフトではどうしてもできないことが出てきて、物足りなさや限界を感じる瞬間がやってくるのだ。
とはいえ、最初のうちは「どれがいいの?」「何が違うの?」と迷って当然。
そこで今回は、主要な動画編集ソフトを比較しながら、それぞれの特徴を整理していく。
その上で、僕がFinal Cut Proを選んでいる理由についてもお伝えしよう。
今回比較する動画編集ソフト
プロ用の動画編集ソフトを人気度(ユーザー人口)でランキング化するとTOP3はだいたい次のようになる。
- Premier Pro(Adobe)
- FinalCutPro(Apple)
- DaVinci Resolve Studio(Blackmagic Design)
動画編集ソフトの比較表
あえて強引に分類するなら多分、こんな感じ。
Premier Pro | DaVinci Resolve Studio | Final Cut Pro | |
---|---|---|---|
大雑把なイメージ | テレビ | 映画 | Vlog 1人作業 |
複数人作業対応 | |||
Windows | |||
Mac | |||
無料版 |
Premier Rush
| DaVinci Resolve | iMovie |
価格(税込) | 月額2,728円(個人版) | 一括44,980円 | 一括36,800円 |
以上をもとに独断と偏見で使い分けの基準を考えみた。
Premier Pro
動画の方向性
頻繁にテロップやアニメーションが入るYouTuberっぽい(テレビっぽい)編集をしたい
想定されるユーザー
- 月額課金も許容できる
- ビジネスで使う
- 頻繁に動画編集する
- スペック高めのPCを持っている
- チーム作業・コラボワークがある
他のAdobeソフトと連携して使うと動作が重くなるからPCは高スペックのほうが望ましい。
また、日本国内で動画編集を仕事にするつもりならPremier Proが無難。
DaVinci Resolve Studio
動画の方向性
色や音にこだわってプロフェッショナルな映像作品を作りたい
想定されるユーザー
- 無料で使える高機能の動画編集ソフトを探している
- サクサク使いたい
- チーム作業・コラボワークがある
- カラーグレーディングにこだわりがある
FCP
動画の方向性
Vlog的なもの
Premier ProとDaVinci Resolveの中間のイメージ
想定されるユーザー
- Macユーザー
- 月額課金は避けたい
- 無難な動画編集ソフトを探している
- 一人で作業する(ワンオペ)
- 効率性重視
動画編集ソフトはFCPだけを愛用している6つの理由
理由①作業環境・ライフスタイルに合っているから
僕自身、Apple信者ってわけではないが、好きで継続的に使っている。
そして、今使っている環境が割と快適なのと、大幅に変える手間を避けたいってのがFCPを使う1つ目の理由だ。
(Windowsユーザーなら、今頃、DaVinci Resolveを使っているだろう。)
ちなみにWindowsも使っていたこともあるので、何の問題もなく普通に使えるし、スマホはAndroidの良さもわかっているつもりだ。
理由②Premiere Proよりもコスパがいい
続いては固定費の問題。
Premier Pro
を使うとなるとサブスクしかないが、意外といい値段(単体で使うと月額2,480円)。
年間約3万円はぶっちゃけ高い。
Premiere Proは頻繁にクラッシュすることで悪名高いソフトウェア。
サクサク動かそうと思ったら、もっとパワフルな作業環境がいるのでPCのスペックのアップグレードも検討する必要が出てくる。
一方、FCPは48,800円の買い切りだ。1回払えばずっと使える。長く使えば使うほど元がとれる。
その割にアップデートも頻繁にあり、Apple純正なので当然、Apple製品との相性も良い。
コスパやお得感で言えばFCPだ。
理由③DaVinci Resolve Studioとは方向性が違う
DaVinci Resolve(無料版)を使えば、FCPにかなり近い割にタダなのである意味FCPよりもコスパがいい(DaVinci Resolve Studioは有料版)。
なので「コスパっていうなら、DaVinci Resolveを使ったほうがいいんじゃないの?」と言われてしまいそうだが、使わない理由を一言で表すと僕が作る動画がDaVinci Resolveっぽくないから。
DaVinci Resolveに向いている動画は簡単に言うと映画業界っぽいものだ。
色の表現や映像美、サウンドデザインにこだわったり、複数人で作業するならDaVinci Resolveがいいが、いまのところは違うかな。
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理由④FCPでできることに限界を感じたことがない
日本語の情報量はPremiere Proが有利だが、英語の情報も含めるとFCPもまったく問題ない。
FCPはPremiere Proと同じくらい豊富にプラグインが販売されており、やりたいと思ったことはだいたいお金で解決だ。
海外のYouTuber(動画クリエイター)もかなりFCP派が多い。
FCPを使いこなしているユーザー
理由⑤FCP用のテンプレートとプラグインを買っちゃってるから
FCPで使うために購入したテンプレートやプラグインがすでに10万円以上ある。
それらはすべてFCPにしか対応していない。
ほかの動画ソフトに移行すればプラグインを買い直す費用がかかる。
そもそも同じものが存在しない可能性があるのだ。
推しのプラグインストア
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MotionVFX|FCPユーザーの救世主!高品質にもほどがあるプラグインストア
Final Cut Proを使い慣れてくると「もっと高度なエフェクトが使いたい」「この作業ってもう少し時短できないかな」と感じることがあります。 そんな時はプラグインサイトをチェックしてみると良いでし ...
理由⑥趣味で使っているから
国内のクライアント相手に動画編集者として稼ごうと思ったらPremiere ProもDaVinci Resolveも使えるにこしたことはない。
クライアントから編集ソフトを指定されて使えないと受注できない仕事も出てくるから。
仕事だと複数人で一つのプロジェクトを編集することもある。
僕はいまのところ、動画編集を仕事にするつもりはない。
一人でやっていくつもりだからわざわざ覚えなくてもいい。
FCPをオススメしないパターン
僕はFCP派だが、すべての人にファイナルカットを推すわけではない。
いくつかオススメしないパターンがある。
Windowsを愛用している
自分はファイナルカットプロを使い始める前からMacを使っていたため、ファイナルカットを選択するのはわりと自然だった。
ただ、ファイナルカットプロのためにわざわざMacに乗り換えるほどかというと疑問が残る。
DaVinci ResolveやPremier Proでも十分やりたいことはできると思う。
動画編集で稼ぎたい
日本国内で動画編集者として稼ぐ場合、Premiere Proを使うことが多い。
最近、ファイナルカットを使った案件も増えているようだが、数としてはPremiere Proを超えていない。
当然、Premiere Proを使えるようになることが最優先だ。
ちなみに海外はDaVinci派やファイナルカット派が多いので、長期的には日本も変わるんじゃないかなと思う。
独学が苦手
ファイナルカットプロを深く使いこなそうとすると日本語情報だけではどうしても限界がある。
ChatGPTに聞くとしても文字情報だとわかりにくいし、ハルシネーション(AIによる知ったかぶり)もある。
英語圏の情報をとれないとなかなか難しいかもしれない。
動画編集スクールなどで習おうと考えている
効率的に動画編集を学ぶためにスクールに通ったり、オンラインコースで学ぶと考える人もいるはずだ。
その場合はそこで使われている編集ソフトを優先して使えるようにしたほうが手っ取り早い。
日本人向けの動画編集スクールでファイナルカットプロを使って教えるケースは少ないので、習うならファイナルカットの優先度は低くなる。
最後に
「動画編集の仕事をしないならファイナルカットプロはいいよ」ということをお伝えしたい。
もし、Macを使っているなら、いったん90日フリートライアルを試してみては?
FinalCutProが90日間無料:https://www.apple.com/jp/final-cut-pro/trial/
参考動画
「Final Cut Proに向いているのってどんな動画かわからないんだけど」という人へ。
参考までに僕がFinal Cut Proで編集しているYouTubeチャンネルを紹介しておきます。
こういう比較的シンプルな動画を素早く編集するのに向いています。