Insta360がスマホジンバル「Insta360 Flow」を出しました。
これまでスマホジンバルの定番と言えば、DJIのOSMO MOBILEシリーズでしたが、Flowのほうがいいなんて声も目にします。
今、選ぶならInsta360が出した初期モデルか、やはりすでに実績のあるDJIの6代目モデルなのか?比較してみます。
この記事の対象者
- スマホ用ジンバルの購入を検討しはじめた
- Insta360とDJI で迷っている
- 自分に合うほうを知りたい
この記事でわかること
- 各ジンバルの良さ・弱点
- あなたに向いているのはどちらか
今回比較するスマホジンバル
Insta360 Flow
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DJI OSMO MOBILE6
Insta360 Flow vs DJI OM6 比較表
もっと見る⇒
Insta360 Flow | DJI OM6 | ||
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発売時期 | 2023年3月 | 2022年9月 | |
①ハードウェア | 重さ | 369g | 309 g |
対応重量 | 130~300g | 170~290g | |
折りたたみ時サイズ | 79.6*162.1*36mm | 84.5*189*44 mm | |
可動域 | パン:-230°~100° ロール:-150°~180° チルト:-100°~82° | パン:-161.64°~173.79° ロール:-120.30°~211.97° チルト:-101.64°~78.55° |
|
三脚 | 内蔵 外付け可 | 外付け | |
自撮り棒 | 内蔵 | 内蔵 | |
バッテリー | 2900mAh | 1000mAh | |
バッテリーライフ | 12時間 | 6時間24分 | |
スマホ充電機能 | |||
内蔵アクセサリーシュー | |||
カラーバリエーション | グレー ホワイト | ダークグレー | |
コントローラー | スマートホイール ジョイスティック | ボタン ジョイスティック |
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②ソフトウェア | アプリ | Insta360 Studio | DJI Mimo |
自動編集 | |||
オートトラッキング性能 | DeepTrack3.0 高性能 | ActiveTrack5.0 DeepTrack3.0未満の性能 |
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ジェスチャコントロール | |||
インカメラ・アウトカメラ変更(撮影中) | |||
360度写真 | |||
フォーカス制御 | |||
ジョイスティック 操作の強弱に応じた動き | |||
価格 | 20,900円 | 19,470円 |
マーカー部分は比較した時にアドバンテージになっていることを意味しています。
①ハードウェアの比較
折りたたみの差
折りたたみ状態から展開するまでの差についてはInsta360 Flowがややスムーズです。
バッテリーの差
Insta360 Flowのバッテリー性能はOM6の2倍相当あり、スマホの充電にも使うことができます。
(OM6は給電機能なし)
三脚の差
OM6が外付け三脚なのに対し、Insta360 Flowは内蔵三脚と外付けどちらも対応できるデザインです。
どちらかと言うとOM6のほうが三脚の質は良いです。
サイズ感と重量
内臓三脚の有無が重さに影響しています。
ちょっと重くても内蔵が便利か、軽さ重視で外付けかというのは悩ましいですね。
コントローラー部分の差
コントローラーのデザインが異なります。
Insta360 Flowはかつてのアイポッドのようなスマートホイールを採用しています。
OM6は物理的なボタンやジョイスティックです。
Insta360 Flowが使いやすい人もいるでしょうし、OM6を支持する人もいるでしょう。
ここはわりと好みが分かれそうな部分です。
②ソフトウェアの比較
オートトラッキング性能の差
Insta360 Flowのトラッキングには粘り強さがあります。
DeepTrack3.0によって対象物を見失ってもトラッキングを継続し、対象物の向きが変わっても対応します。
一方、OM6のActiveTrack5.0は対象物を一度見失うとトラッキングが止まってしまいます。
撮影中のインカメラ・アウトカメラ変更
Insta360 Flowは撮影中にもインカメラとアウトカメラを切り替えられます。
OM6だと一度停止してからじゃないとカメラを切り替えられません。
アプリの差
クリエイティブ撮影や編集には各社のアプリを使います。
選べる撮影モードの差
クリエイティブな撮影で選べるモードが違います。
360度写真やワイドスクリーンモードに対応しているのはInsta360 Flowのみです。
価格面
Insta360 Flowの発売時点では同額でしたが、DJIはその後、値下げを発表しました。
2022年9月 DJI OM6発売
2023年3月 Insta360がOM6以上の性能のものを同価格で出す
2023年7月 DJIがOM6を値下げ
みたいな流れです。
Insta360 Flowのメリット&デメリット
- ワンステップ高速展開
- 長時間バッテリー
- メニュー変更のしやすさ
- ズームイン・アウトのしやすさ
- オートトラッキング性能の高さ
- フォーカス制御不可
- 内蔵三脚故障のリスク
- 持ち手の短さ
メリット ワンステップ高速展開
高速で準備できます。
メリット 長時間バッテリー
バッテリーが長いのでシンプルに充電の手間が減ります。
メリット メニュー変更のしやすさ
Insta360 Flowはメニューをループせずに変えられます。逆にOM6はA⇒B⇒C⇒A⇒のように一方方向なのでCを選びたいのに飛ばしちゃったらまたA⇒B⇒C⇒A⇒B⇒Cと変えなければなりません。Insta360 FlowのデザインならA⇒B⇒C⇒A⇒Cが可能になります。
メリット ズームイン・アウトのしやすさ
Insta360 Flowのデザインならホイール部分でズームイン・アウトができるため、持ち替えが不要です。
OM6は本体の左部分にあるサイドホイールがズームイン・アウトとフォーカス制御のコントローラーとなってますが、このデザインだと利き手によって使いにくい人もいるでしょうし、片手だと届かないかもしれません。
メリット トラッキング性能の高さ
Insta360 Flowのオートトラッキングはしっかりと対象を追えるだけでなく、向きが変わっても追える点でOM6のActiveTrack5.0よりも高性能です。
さらに、人や柱とすれ違ったりしてもトラッキングを正しく継続できる点でネクストレベル(ワンランク上)と言えるでしょう。
特定の被写体を認識する能力がとにかく高いです。
正面から見た被写体の姿だけじゃなくて横から見た時の姿も認識するのであまりフレームアウトしません。
柱に隠れてもトラッキングを継続します。
トラッキング時、被写体の位置はド真ん中だけじゃなくて、左右に寄せることも可能です。
(トラッキングボックスが出た状態でジョイスティックを使って移動します。)
デメリット フォーカス制御不可
Insta360 Flowはフォーカスのコントロールができません(2023年4月時点)。
デメリット 内蔵三脚故障のリスク
内蔵三脚が売りですが、案外作りが脆いので壊れた時のことを考えるとちょっと厄介です。
ただ、外付けもできるため、致命的ではないですが。
それから内蔵することによってOM6よりも重くなっている感じです。
これも考え方の違いなので一概に悪いということではありませんが。
デメリット 持ち手が短い
コンパクトにたためるデザインの代償として持ち手部分の長さが少し足りないです。
ぎりぎりの長さしかないため、手が大きい人はホールドしにくいのではないでしょうか。
三脚部分を引っ張り出すことで一応解決できますが、「もうちょっとどうにかならなかったのかな?」という印象です。
DJI OM6のメリット&デメリット
- 外付け三脚なら交換が容易
- フォーカス制御できる
- ジョイスティック操作の強弱に応じて動作
- メニュー切り替えが不便
- オートトラッキング性能が低い
メリット 外付け三脚
内蔵された三脚がない分だけInsta360 Flowよりも軽いです。
三脚が外付け式なのは不便ですが、三脚だけが壊れる心配をしなくていいのはある種の利点だと思います。
メリット フォーカス制御できる
OM6はサイドホイールでフォーカスを変更できます(Insta360 Flowはフォーカス変更機能なし)。
メリット ジョイスティック操作の強弱に応じて動作
OM6のジョイスティックは動作速度が操作の強弱に反応します。
デメリット メニュー切替が不便
Insta360のメニュー変更で書きましたが、メニュー切替が一方向のみのため、やや面倒です。
デメリット オートトラッキング性能が劣る
何度か繰り返しになってますが、OM6のActiveTrack5.0は対象物の動きがイレギュラーだとトラッキングを終了していまいます。
この点はInsta360 Flowよりも足りていない部分です。
参考|Insta360 Flowを使った動画
以下の動画ではInsta360 Flowを使っています。
最後に
Insta360が半年の間にDJI OM6の伸びしろを見て上回るものを開発したという点は見事でした。
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