Osmo Pocket3は色編集をしたい人にとっても使いやすいカメラだ。
多分、OP3がきっかけで編集で色を変えることに興味が出てきた人もいると思う。
D-Log Mで撮影した素材をFinal Cut Proでカラーグレーディングしてみたので今回はそのプロセスを簡単に紹介しよう。
この記事の対象者
- DJI Osmo Pocket3を使っていて色編集に興味がある
- Final Cut Proを使っている
- 基本的な流れを知りたい
この記事でわかること
- 色編集の前提知識
- 色編集を前提とした撮影時の設定
- カラーグレーディングスキルがなくてもいい感じにする方法
カラーグレーディングのイメージ

マウスを乗せると動画が再生されます
カラーグレーディングの流れ
Step1 撮影(D-Log Mが理想)
Step2 カラートランスフォーメーション(カラーコレクション)
Step3 カラーグレーディング
各プロセスでのポイント
Step1 D-Log M撮影
編集での調整幅を確保するためにフラットな色味で撮影しておく。
D-Log Mで撮影するとノーマルカラーでの撮影よりも明るい部分や暗い部分の情報が残りやすくなる。
撮影時の設定
設定の話は長くなるので他のページでまとめたのを参考にしてほしい。
以下のページで②ハイクオリティ用の設定を紹介している。
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DJI Osmo Pocket 3の設定ガイド完全版|動画クオリティを最大限に引き上げる方法!
DJI Osmo Pocket 3、しっかり使いこなせていますか? このページでは押さえておきたいポイントや基本的な使い方をわかりやすくまとめました! この記事の対象者 最近、DJI Osmo Poc ...
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Step2 カラーコレクション(カラートランスフォーメーション)
次はニュートラルな状態に整える段階だ。
Final Cut Proで明るさやコントラストを調整し、自然な色味に整える。
今回はDJI公式LUTを使ってD-Log Mの素材をRec.709に変換した。
ただし、単に適用するだけだと強すぎたのでMix値の調整で効果を弱めた。
(Mixの値は50%から80%くらいのほうが自然に見えるかもしれない)
DJIの公式LUT配布ページ
https://www.dji.com/jp/downloads/softwares/osmo-pocket-3-dlog-to-rec709
Step3 カラーグレーディング
最後は表現したい雰囲気や世界観に合ったLUTを適用し、微調整をして完成。
スキルがなくてもいい感じにできるポイント
自分で0からグレーディングする必要はない。
このスキルをマスターするのには膨大な時間がかかる。
今の時代、プロのカラリストが開発したLUTやプラグインが簡単に手に入る。
1つあたりせいぜい数千円程度なのでそれらを利用させてもらおう。
参考
Final Cut Proでのプロセス

マウスを乗せると動画が再生されます
Step1 D-Log M撮影
これはD-Log Mで撮影した状態。
ノーマルカラーよりもハイライト部分、シャドー部分の情報が残りやすい。
ノーマルカラーでもいいが、表現にこだわるならD-Log Mでの撮影がオススメ。
Step2 カラートランスフォーメーション
Custom LUTを素材の上にドラッグ。
LUTというところでDJI公式からダウンロードしたLUTを選ぼう。
D-Log MからRec709に変換できる。
コントラストや色味が回復して視聴用の標準的な映像になる。
そのままだと効果が強いのでMixで弱めている。
Step3 カラーグレーディング
D-Log MからRec709に変換した状態。
これで完成にしてもいいが、今回はここからカラーグレーディングをする。
今の素材の上にもう一つのLUTを重ねるため、Custom LUTを追加。
FCPの仕様上、下にあるEffectsが後に適用されるため、Custom LUTの並び順は「D-Log MからRec709変換用のLUT」が上、「LUT」が下というのが正しい。
このLUTは自分で用意する必要がある。
ちなみにLUTは素材やシーンとの相性が重要だ。
LUTはある特定の色空間・露出・ホワイトバランス・雰囲気を前提に作られているため、それに合わない素材に当てると破綻する。
例えば、雨の日の映像を元に作られたLUTを快晴の映像に使うと不自然になりやすい。
最後は効果の強さを調整する。
完成。