ウェアラブルな小型カメラとポケットジンバルカメラ。
それぞれの得意なシーンは異なっており、適材適所で選びたいところです。
このページでは両者の違いを整理してその判断材料を提供します。
この記事の対象者
- ポケットサイズのカメラを検討しはじめた
- 自分の用途に合うか確認したい
この記事でわかること
- ウェアラブル小型カメラとポケットジンバルカメラの違い
- ポケットサイズカメラを選ぶポイント
- 両方持つメリットはあるか
今回比較するカメラ
ウェアラブル小型カメラ
カメラ部分だけを分離でき、圧倒的に身につけやすいデザインが特徴のシリーズです。
Insta360のGOシリーズを念頭に置いて話を進めていきます。
ポケットジンバルカメラ
3軸ジンバル搭載のシリーズです。
DJIが開発したポケットジンバルを念頭に置いて話を進めていきます。
ウェアラブル小型カメラとポケットジンバルカメラの違い
ウェアラブル小型カメラ | ポケットジンバルカメラ | |||
---|---|---|---|---|
設計 | 形状 | 棒状・縦長 スリム 不安定 | 棒状・縦長 スリム 不安定 |
|
重量 | 軽い 200g以下 | 軽い 200g以下 |
||
防水 | カメラ本体は防水仕様 (アクションポッドは非対応) | なし | ||
映像 | モード | 標準 | 最大4K60fps | 最大4K60fps |
スローモーション | 最大2.7K120fps | 最大4K120fps |
||
HDR | 最大4K30fps | 最大4K60fps |
||
暗所 | 最大4K30fps | 最大4K30fps |
||
カラー | 8bit | 10bit | ||
Rec709 | ||||
Log撮影 | ||||
オートフォーカス | ||||
撮影環境 | アウトドア | 得意 | やや不得意 雨や水に弱い |
|
インドア | 得意 | 得意 | ||
暗所 | 普通 ブレ感は発生しやすい | 得意 | ||
予算感 | 6.5万円 | 8万円 |
ウェアラブル小型カメラの特徴
テキストリンクをクリックすると補足解説へ移動します(ページ内スクロール)。
ポケットジンバルカメラの特徴
テキストリンクをクリックすると補足解説へ移動します(ページ内スクロール)。
補足解説
防水性があり、対応シーンが豊富
カメラが防水なので屋外で使う時の安心感が違います。
カメラワークが直感的
カメラを被写体に向ければ撮影できるというシンプルさは直感的で誰でも使いやすいです。
また、電子手ブレ補正は激しく動くアクションシーンに有利です。
ポケットジンバルカメラは物理的に手ブレ補正する分、素早い動きに対応するのに限界があります。
広角でのダイナミックな映像
広い視野(画角)で撮影できます。
画角が広いと複数人での撮影がしやすかったり、被写体と風景を同時にフレームに収めることができます。
これにより動きが強調されてダイナミックに見える効果があります。
広角映像を活かした臨場感のある風景撮影にも向いています。
パンフォーカス(風景やアクション撮影で効果的)
画面全体にピントが合うレンズのため、意図せずボケてしまうことがありません。
ポケットジンバルカメラはオートフォーカスなので、撮影中に被写体を見失ってピンボケすることがあります。
Log撮影ができない
カラーグレーディングを前提としたLogカラープロファイルがありません。
また、8bitカラーなので10bitと比較して色数が少なく、グラデーション表現が乏しくなります。
基本的に手持ちで撮影
手持ち撮影でも安定した映像を撮れるのが基本的なコンセプトです。
ポケットジンバルカメラをマウントして使うためのアクセサリーも存在しますが、やや例外的です。
3軸ジンバルによる滑らかな手ぶれ補正(物理的な手ブレ軽減×デジタル処理)
ジンバルによって物理的に手ブレを吸収し、カメラを安定させることで滑らかな映像を実現できます。
ジンバルによるスムーズなカメラワーク
ジンバルにはいくつかの撮影モードが搭載されています。
代表的なモード
- フォローモード
- チルトロックモード
- FPVモード
暗所撮影時の安定感
暗所で撮影した時に綺麗なのはポケットジンバルカメラです。
理由
- 明るいレンズが採用されている
- 大きなセンサーで光を多く取り込める
- 物理的に手ブレを軽減できる
センサーが大きいとダイナミックレンジ(明暗の幅)も広いです。
オートフォーカス(背景ボケやフェイストラッキングなどの映像表現に効果的)
フォーカスによってボケ感を出せる点で、アクションカメラよりも人物や被写体の撮影で活躍します。
Log撮影対応
カラーグレーディングを前提としたLog撮影に対応しています。
10bitカラーなのでグラデーション表現も滑らかになります。
衝撃には弱め(防水性能なし)
ジンバルは精密機器なので、天候やロケーションによって注意が必要になります。
相対的に故障リスクは高いです。
ジンバル操作習得に学習が必要
ジンバルの操作を覚えるのにある程度、習得期間が必要です。
何回か使って挙動や操作方法に慣れる必要があります。
基礎知識
- パン:水平方向の動き
- チルト:垂直方向の動き(上下に動かす)
- スピン:時計回り・反時計回り
シーン別の適性
アウトドア環境
場合によります。
自然・登山・キャンプ
アウトドア体験・アウトドア活動が目的ならウェアラブル小型カメラになります。
天候に左右されずに使えますし、マウントアクセサリーでハンズフリー撮影もできるのでアクティブに行動しやすいでしょう。
ロケ
例えば、自然環境の中で映像作品を撮影するというような場合ですね。
この場合はポケットジンバルカメラのほうが映えるような動画を作りやすいです。
旅行(街歩き)
Vlogなら
ポケットジンバルカメラがオススメです。
被写体や構図などを考えた上で綺麗な映像を残すことができます。
記録動画なら
ウェアラブル小型カメラがオススメです。
身につけていれば記録できるのでアングルとかを気にせず普段通りに行動するだけです。
あとから見返す楽しみもあります。
室内・ナイトシーン撮影
明るさが不足しがちな場所はポケットジンバルカメラでの撮影がおすすめです。
センサーサイズが大きいため、低照度性能が高い(ノイズが少ない)のとジンバルによる物理的な手ブレ軽減で綺麗に撮れます。
最終判断
どっちがいい?
撮影したい映像の役割によってカメラを選びます。
見やすくて綺麗なショットを撮る ⇒ ポケットジンバルカメラ
意外性のあるショットを撮る ⇒ ウェアラブル小型カメラ
ウェアラブル小型カメラとポケットジンバルカメラ、両方持つ意味ある?
撮れる映像のタイプがかなり違うのと、同時に使えるので2つも持っていてもそれぞれに活躍の出番はあります。
画質はポケットジンバルカメラのほうが高く、ウェアラブル小型カメラのほうがアングルや設置場所などの工夫によって映像的なインパクトが出やすいです。
- ポケットジンバルカメラでメインショットを撮る
- ウェアラブル小型カメラで撮ったショットをアクセントにする
というような使い分けは十分現実的なシナリオです。