アクションカメラとポケットジンバルカメラ。
どちらもコンパクトなおかげで気軽に使えて便利ですが、それぞれの特徴や得意なシーンは異なっており、適材適所で選んであげないと最大限のパフォーマンスを引き出せません。
このページでは両者の違いを整理して、あなたがどちらを選ぶべきか判断できる材料を提供します。
この記事の対象者
- ポケットサイズのカメラを検討しはじめた
- 自分の用途に合うカメラを選びたい
この記事でわかること
- アクションカメラとポケットジンバルカメラの違い
- ポケットサイズカメラを選ぶポイント
今回比較するカメラ
アクションカメラ
アクションカメラの意味を広く捉えると「360度カメラ」や「親指サイズの超小型カメラ」も含まれます。
ですが、このページではもう少し範囲を絞って以下のような耐久性の高いモデルを念頭に置いて話を進めていきます。
ポケットジンバルカメラ
ポケットジンバルはDJIが開発した3軸ジンバル搭載のモデルを念頭に置いて話を進めていきます。
(DJI以外のメーカーによって開発された商品は圧倒的にシェアが低いため、今回は無視します)
アクションカメラとポケットジンバルカメラの違い
アクションカメラ | ポケットジンバルカメラ | |||
---|---|---|---|---|
設計 | 形状 | 直方体 低重心 安定 | 棒状・縦長 スリム 不安定 |
|
重量 | 軽い 150〜200g | 軽い 200g以下 |
||
防水・防塵 | 対応 | なし | ||
扱い | タフ / 気軽 | 繊細 | ||
映像 | モード | 標準モード | 4K以上 最大8Kモデルあり | 最大4K |
HDRモード | ||||
暗所モード | 一部対応 | |||
画角 | 超広角 | |||
広角 | レンズ別売 |
|||
標準 | ||||
オートフォーカス | ||||
撮影環境 | アウトドア | 得意 | やや不得意 雨や水に弱い |
|
インドア | 不得意 ノイズ感が出やすい | 得意 | ||
暗所 | 不得意 ノイズ感が出やすい | 得意 | ||
予算感 | 5~10万円 | 10万円 |
アクションカメラの特徴
テキストリンクをクリックすると補足解説へ移動します(ページ内スクロール)。
ポケットジンバルカメラの特徴
テキストリンクをクリックすると補足解説へ移動します(ページ内スクロール)。
補足解説
マウントして使いやすい(ハンズフリー撮影)
カメラを接続・固定するアクセサリー類が豊富にあり、両手が空くので何かをしながら撮るのに向いています。
(運転中・アクション中・ウォーキング中など)
もちろん手持ち撮影することもあります。
その場合もアクセサリーを使って目線の高さを変えながらいろんなバリエーションのショットを試せます。
耐久性(防水・防塵)が高く、さまざまな環境で撮影可能
カメラが丈夫だとリスクのあるところで使う時の安心感が違います。
万が一、パーツの一部が壊れたとしても入手しやすいので自分で修理できるのも便利です。
ジンバルは精密機器だということを忘れて雑に扱うと故障のリスクになります。
基本的に自分で修理できるものではなく、修理に出さなければ直せない点も面倒です。
途中で故障すると予定が狂うので注意したいですね。
カメラワークが直感的
カメラを被写体に向ければ撮影できるというシンプルさは直感的で誰でも使いやすいです。
ジンバルの場合、いくつかのモードがあり、挙動を理解して習得するという段階があるのではじめは難しく感じる人もいます。
高解像度撮影に対応
5.3Kや8Kといった解像度で撮影できる機種もあります。
仮に4Kで書き出すとしたら、編集でズームやクロップしても画質を維持できます。
広角でのダイナミックな映像
アクションカメラのほうがより広い視野(画角)で撮影できます。
画角が広いと被写体と風景が同時にフレームに収まることになります。
これにより動きが強調されてダイナミックに見える効果があります。
広角映像を活かした臨場感のある風景撮影にも向いています。
パンフォーカス(風景やアクション撮影で効果的)
画面全体にピントが合うレンズのため、撮影中に意図せずボケてしまうことがありません。
ポケットジンバルカメラはオートフォーカス性能がある分、撮影途中で被写体を見失うとフォーカス対象を探している間、画面全体がボヤけてしまうことがあります。
強力な電子手ブレ補正(カメラ内部でデジタル処理)
電子手ブレ補正は激しく動くアクションシーンに有利です。
ポケットジンバルカメラは素早い動きに対応するのに限界があります。
暗所撮影が苦手
暗所モード等もありますが、ポケットジンバルカメラと比較すると明るさ・ノイズ・ブレ感が目立ちます。
基本的に手持ちで撮影
基本的なコンセプトは手で持っても撮影しても安定した映像を撮ることです。
ポケットジンバルカメラをマウントして使うためのアクセサリーも存在しますが、やや例外的です。
3軸ジンバルによる滑らかな手ぶれ補正(物理的な手ブレ軽減×デジタル処理)
ジンバルによって物理的に手ブレを吸収し、カメラを安定させることで滑らかな映像を実現できます。
ジンバルによるスムーズなカメラワーク
ジンバルにはいくつかの撮影モードが搭載されています。
代表的なモード
- フォローモード
- チルトロックモード
- FPVモード
暗所撮影時の安定感
暗所で撮影した時に綺麗なのはポケットジンバルカメラです。
理由
- 明るいレンズが採用されている
- 大きなセンサーで光を多く取り込める
- 物理的に手ブレを軽減できる
オートフォーカス(背景ボケやフェイストラッキングなどの映像表現に効果的)
フォーカス機能によってボケ感を出したり、センサーが大きくダイナミックレンジ(明暗の幅)が広い点で、人物撮影ではアクションカメラよりも活躍します。
衝撃には弱め(防水性能なし)
精密機器が搭載されており、防水性能もないことから相対的に故障リスクは高いです。
ジンバル操作習得に学習が必要
アクションカメラと比較して直感的でない部分があります。
挙動や操作方法に慣れる必要があります。
基礎知識
- パン:水平方向の動き
- チルト:垂直方向の動き(上下に動かす)
- スピン:時計回り・反時計回り
シーン別のおすすめ
アクションスポーツ
サーフィン、スノーボード、バイクなど
防水・耐衝撃性能が求められるのでアクションカメラがおすすめです。
マウントすることでカメラではなく競技にフォーカスできます。
アウトドア環境
場合によります。
自然・登山・キャンプ
アウトドア体験・アウトドア活動が目的ならアクションカメラになります。
天候に左右されずに使えますし、マウントアクセサリーでハンズフリー撮影もできるのでアクティブに行動しやすいでしょう。
ロケ
例えば、自然環境の中で映像作品を撮影するというような場合ですね。
この場合はポケットジンバルカメラのほうが映えるような動画を作りやすいです。
ただ、悪天候・水中・水上での撮影、広角広角ショットによる風景撮影になってくるとアクションカメラが安心です。
旅行(街歩き)
散歩程度であれば、故障リスクも低いですし、構図なども考えた上で撮影する余裕があります。
ポケットジンバルカメラは手軽に持ち運べて、ジンバルで安定した映像を残せます。
音声収録もしやすいです。
室内・ナイトシーン撮影
明るさが不足しがちな場所はポケットジンバルカメラでの撮影がおすすめです。
センサーサイズが大きいため、低照度性能が高い(ノイズが少ない)のとジンバルによる物理的な手ブレ軽減で綺麗に撮れます。
最後に
アクションカメラとポケットジンバルカメラは、それぞれ強みが異なります。
アクティブなシーンは文字通りアクションカメラ、落ち着いて撮影できるならポケットジンバルが最適です。
用途に合わせて最適なカメラを選びましょう!
参考|相談事例
最近、YouTube視聴者の方(アクションカメラ経験なし)からLINE経由で相談があり、コミュニケーションを取りました。
その方は当初、予算の関係でアクションカメラを探していました。
ですが、暗所性能を求めており、散歩時の利用や人物撮影を目的とされていたことから、Osmo Pocketシリーズを提案したところ、納得しておられました。