DJIが出しているハンドヘルドカメラと言えば、PocketシリーズとActionシリーズがあります。
発売から約3年経過しても根強い人気がある「DJI Pocket2」と最近新たに発売された「OSMO Action4」。
2つを比較して、それぞれどんなシーンや使い方に向いているかをまとめます。
今回、比較するカメラ
DJI Pocket2
物理ジンバルを搭載したvlog向きのシリーズです。
DJI Pocket2の主な特長
- 3軸ジンバル(物理ジンバル)
- フェイストラッキングや背景ボケ
- 写真(静止画)性能が高い
- コンボにワイヤレスマイク付
DJI Pocket3は出るのか?発売日はいつになる?
OSMO Action4
タフに使えるアクション向きのシリーズです。
OSMO Action4の主な特長
- デュアルタッチスクリーン
- 電子手ブレ補正
- 高い防水性
- 高性能バッテリー(長時間・耐寒)
- スローモーション撮影(4K@120p)
- 10bitカラー
- マグネットクイックリリースシステム
DJI Pocket2 vs OSMO Action4 比較表
DJI Pocket2 | OSMO Action4 |
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発売時期 | 2020年10月 | 2023年8月 | |
タイプ | ジンバルカメラ | アクションカメラ | |
①デザイン面 | 本体重量 | 117g | 145g |
本体サイズ | 124.7 × 38.1 × 30 mm | 70.5 × 44.2 × 32.8 mm | |
スクリーンサイズ | 1インチ | 前:1.4インチ 後:2.25インチ |
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ストレージ | 最大256GB | 最大512GB | |
バッテリー容量 | 875mAh | 1770mAh | |
撮影時間|設定 | 最長140分|1080p@24fps | 最大160分|1080p@24fps | |
予備バッテリー | |||
急速充電 | |||
マグネットクイックリリース | |||
防水性能 | なし | 18メートル防水 | |
動作温度 | 0℃ ~ 40℃ | -20℃ ~ 45℃ | |
②映像面 | センサーサイズ | 1/1.7 | 1/1.3 |
レンズ | f1.8 | f2.8 | |
ISO | 100-6400 | 100-12800 | |
解像度@最大フレームレート | 4K@60p | 4K@120p | |
最大ビットレート | 100Mbps | 130Mbps | |
画角|35mm換算 | 広角|15mm※ 標準|20mm ※広角レンズ使用時 | 超広角|11mm 広角|12mm 標準|15mm |
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ActiveTrack 3.0 | |||
背景ボケ | |||
暗所性能 | 良い | 普通 | |
カラー | 標準 D-Cinelike | ノーマル D-Log M |
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10bitカラー | |||
手ブレ補正 | 3軸ジンバル補正 | 無効 RockSteady 3.0 RockSteady 3.0+ HorizonBalancing HorizonSteady |
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ワイヤレスマイク | |||
価格 | 本体のみ | 49,500円 | 58,300円 |
保険 | 1年3,520円 2年5,280円 |
デザイン的な部分と画質に関わる部分に分けて表を作成しました。
まずはそれぞれのカメラの得意と苦手をピックアップして、その後、それぞれのカメラに向いているパターンをまとめます。
①デザイン面(サイズ感、タフネス)
DJI Pocket2の強み
ポータビリティ
DJI Pocket2はその名の通り、ポケットに入りやすい縦長デザインが特徴。
最低限、必要なアクセサリーがケースにコンパクトに収納できるので持ちだしやすさは圧倒的です。
DJI Pocket2の弱点
操作性
Pocket2は設定変更や映像確認用のスクリーンがついていますが、サイズが小さいため、見づらさ、使いにくさなどのマイナス要素になっています。
あと、物理ジンバル操作は案外テクニックが必要ですし、機動性が落ちるので決定的瞬間を逃すことにもなります。
バッテリーライフ
DJI Pocket2はポケットに入れて気軽に持ち歩くのがコンセプトなので、バッテリーライフはあまり重視されていません(モバイルバッテリーなどで充電しながら使うことはできる)。
使えるシーン・ロケーション
DJI Pocket2はジンバルがあるため、撮影場所は限られますし、丁寧に扱わないといけません。
防水機能がないため、水に弱く、雨も弱点です。
ちなみに水中撮影用の防水ケースがありますが、他にも防水性能が優れたカメラがある中で、あえてリスクもあるPocket2を選ぶだけの理由はないと思います。
OSMO Action4の強み
防水・耐寒性能・衝撃耐性
OSMO Action4は防水性・防寒性を備えているので、様々なシーン(海や川、雪や雨天時)で安心して使えます。
落としても壊れにくく、活躍できる場所が多いです。
レンズカバーを交換できるため、傷や破損のトラブルも自力で解決できます(DJI Pocket2なら工場修理が必要)。
バッテリー交換
OSMO Action4は充電が切れてもすぐに予備バッテリーに交換できるので使いやすいです。
また、急速充電に対応している点も評価できます(18分で80%まで回復)。
バッテリー方式
- DJI Pocket2:本体内蔵式
- OSMO Action4:交換式
直感的な操作性
OSMO Action4のような電子手ブレ補正式のアクションカメラはジンバルカメラよりも直感的に操作できます。
デュアルタッチスクリーンもサイズ的に操作がしやすいですし、素早く使えるので撮り逃すことも少ないはずです。
マウント性能
本体にマグネットが内蔵されており、金属の壁や柱などにくっつくほか、マグネットクイックリリースシステムによって様々な場所に瞬時にマウントできます。
横長デザインなので平らな部分に置きやすいのもメリットと言えばメリットです。
OSMO Action4の弱点
荷物が多くなりやすい
Pocket2とAction4の本体重量は数十グラム差ですが、Action4は本体プラス自撮り棒(三脚)や予備バッテリーなどもある分、持ち運びや身軽さという点では一段階下です。
②映像面
DJI Pocket2の強み
物理ジンバルによる手ブレ補正
OSMO Action4が電子的に手ブレ補正するのに対して、DJI Pocket2は3軸ジンバルで物理的に制御しています。
手持ちよりなめらかで安定感があり、暗所での撮影時には有利です。
物理ジンバルじゃなければ撮れない映像はたしかにあります。
明るいレンズ
f1.8レンズによってOSMO Action4にはできない撮影も可能です。
- 暗所でのノイズ軽減
- 背景ボケ
など
逆に晴天時に屋外で使うと露出オーバーになってしまうこともあるため、気をつける必要もあります。
(露出を調整して白飛びを防止)
ActiveTrack 3.0やフェイストラッキング
高いオートフォーカス性能(ハイブリッドAF 2.0)によって被写体が動いたとしても追いかけてフレーム内に収めることができます。
DJI Pocket2の弱点
画角が狭い
Pocket2は広い範囲を画面に収めるのには向きません。
画角
- DJI Pocket2:広角,標準
- OSMO Action4:超広角,広角,標準
マグネット式の広角レンズですが、じつはあまり強度が強くないため、ちょっとした衝撃で落ちそうな感じです。
OSMO Action4の強み
スローモーション撮影
4K@120fpsに対応しているのでPocket2よりもアクションシーンを撮影するのに向いています(スポーツとか)。
超広角&狭角での撮影
Pocket2と比較してより広い画角で撮れるため、ダイナミックな映像になります。
人物とロケーションを同時に見せたい場面でも、背景が人物で隠れてしまうことなく両方をフレームに収めることができます。
カラーグレーディング
好条件で撮影した時にはOSMO Action4が有利です。
ダイナミックレンジが広く、各ピクセルがより多くの情報を持つため、Pocket2よりも精細なカラーグレーディングが楽しめます。
カラーパフォーマンス
- DJI Pocket2:D-Cinelike,8bitカラー(1600万色),100Mbps(最大ビットレート)
- OSMO Action4:D-Log M,10bitカラー(10億色),130Mbps(最大ビットレート)
OSMO Action4の弱点
暗所でのパフォーマンス
Action4はセンサーサイズがアップして暗所に強くなったと言われますが、あくまでも電子手ブレ補正型のアクションカメラの中では優れているという意味です。
Pocket2のように明るいレンズ×物理ジンバルのモデルと比較すると見劣りします。
オートフォーカス・トラッキング
全体的にフォーカスがあうタイプのカメラなので、被写体をトラッキングしたり、背景ボケのある映像は撮れません。
DJI Pocket2に向いているパターン
メリット |
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デメリット |
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①予算7万円以下でVlog用カメラがほしい
カメラとジンバルとワイヤレスマイクを購入するとなると最低でも10~15万円はかかります。
それがDJI Pocket2 Creatorコンボを選べば、7万円以下で実現でき、Vlogを撮るのに最低限必要なものが手に入ります。
非常にコスパが高いです。
Creatorコンボはワイヤレスマイク付き
DJI Pocket 2のCreatorコンボを選べばパッケージにワイヤレスマイクも含まれてきます。
ワイヤレスマイクは音質を手軽に上げられるのでオススメです。
※Action4本体とDJIマイクがセットになったOSMO Action4 Vlogコンボは10万円を超えています。
ジンバルカメラならではの映像
OSMO Action4の手ブレ補正は優秀ですが、ジンバルがないとどうしても撮れないタイプの映像もあります(パンやチルトといったカメラワークが必要なタイプの映像という意味です)。
映画やPV・CM等の映像ではジンバルが使われているケースが多いです。
背景もちょっとボケる
ボケ感のある映像撮影は他のアクションカメラでは対応していない特徴です。
夜間にも撮れる
f1.8レンズとジンバルによって夜間でもノイズが少なくきれいに撮れるので、暗くなった後の時間帯にも使いたいならAction4よりも適しています。
②日常的に使う
DJI Pocket2はAction4と比較すれば、繊細なので持って行けるロケーションやシチュエーションは限られます。
また、素早い動きだとジンバルがついてこれないため、激しいアクションシーンの撮影にも向きません。
一方でサイズ的には持ち運びやすく、片手でも撮影できて目立ちません。
特に街歩きとかには最高です。日帰りのドライブや近所の散歩、繁華街で使うようなイメージです。
手ぶらで出かけることもできる
DJI Pocket 2はケースに入れてもギリギリポケットに入るくらいにまとまるので、手ぶらで撮りに行くことも可能です。
迷ってるならレンタルしてみるのもオススメ
↑ひらく
OSMO Action4に向いているパターン
メリット |
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デメリット |
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①様々なロケーションで動画を撮る
激しく動き回って落としても壊れにくく、海や川、雪山、砂漠のようにタフな環境での使用にも十分耐えるので普通のカメラやスマホを使えないシーンで活躍します。
汎用性の高さや撮影可能なロケーションの多さで言えば、OSMO Action4のほうが有利でしょう。
(日常はもちろん、海外旅行からアウトドア活動まで幅広くカバーできます。)
※DJI Pocket2は防水性能的に雨の日に使うのも気をつけなくてはなりません。
アクセサリーで拡張して使うため、費用はかかるかも...
Action4本体のみでも撮影できますが、実際は撮影環境に応じて追加でアイテムを購入して拡張して使うようなカメラとなっています。
特にワイヤレスマイクを使うとなるとDJI Pocket2で撮影するよりも追加費用がかかる可能性が高いです。
ゼロから揃えるなら本体+アクセサリーで10万円程度の予算を見ておいたほうが良いでしょう。
②昼間の撮影がメイン
OSMO Action4のパフォーマンスが最大限に発揮できるのは日が出ている時間帯(朝日が昇ってから日が暮れるまで)です。
迷ってるならレンタルしてみるのもオススメ
↑ひらく
最後に
Action4が後から発売されたからと言って必ずしも全ての観点で上回っているわけでもないです。
各カメラの特徴を把握し、利用シーンをイメージした上で選んでみてください。
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