今、小さいカメラを探している人が家電量販店に行くと、GoProやDJIのPocketシリーズは必ず目にするはずです。
(人気があるのでだいたいどこでも扱っています。)
実は特徴とか向いているシーンが全然違うんですが、初心者だとその辺はわかりにくい部分だと思いますので、比較してみます。
買ってから後悔しないように軽く予習してみてください。
この記事の対象者
- 気軽に動画を撮れるカメラの購入を検討しはじめた
- GoPro HERO12とOsmo Pocket3で迷っている
- 良い点だけじゃなくてできないことも把握しておきたい
- 自分に合うほうを知りたい
この記事でわかること
- 各カメラの強み・弱点
- あなたに向いているのはどちらか
今回、比較するカメラ
GoPro HERO12
タフに使えるアクション向きのシリーズです。
- タフさ
- 高い防水性
- 超広角撮影
- 直感的に使いやすい
- 暗所性能
- 音声収録性能
Osmo Pocket3
物理ジンバルを搭載したvlog向きのシリーズです。
- 3軸ジンバル(物理ジンバル)による強力な手ぶれ補正
- 高画質(1インチセンサー)
- フェイストラッキングや背景ボケ
- 優れた暗所性能
- 音声収録
- 水に弱い
- 故障リスク
- 学習コスト
GoPro HERO 12 vs Osmo POCKET3 比較表
GoPro HERO12 | OSMO Pocket3 | ||
---|---|---|---|
発売時期 | 2023年9月 | 2023年10月 | |
タイプ | アクションカメラ | ジンバルカメラ | |
①デザイン面 | 本体重量 | 154g | 179g |
本体サイズ | 71.8 × 50.8 × 33.6 mm | 139.7 × 42.2 × 33.5 mm | |
スクリーンサイズ | 前:1.4インチ 後:2.27インチ | 2インチ | |
ストレージ | 最大1TB | 最大512GB | |
バッテリー容量 | 1720mAh | 1300mAh | |
最長撮影時間|設定 | 150分以上|1080p@30fps | 166分|1080p@24fps | |
予備バッテリー | |||
急速充電 | |||
防水性能 | 10メートル防水 | なし | |
動作温度 | -10°C〜35°C | 0℃ ~ 40℃ | |
②映像面 | センサーサイズ | 1/1.9インチ | 1 |
レンズ | f2.5 | f2.0 | |
ISO | 100-6400 | 100-6400 | |
解像度@最大フレームレート | 5.3K@60fps 4K@120fps | 4K@60fps | |
最大ビットレート | 120Mbps | 130Mbps | |
画角|35mm換算 | HyperView|12mm SuperView|16mm 広角|16~34mm リニア |19~39mm リニア+水平ロック/水平維持|19~33mm | 広角|15mm※ 標準|20mm ※広角レンズ使用時 |
|
アスペクト比 | 16:9 4:3 8:7 | 16:9 | |
最大FOV | Max HyperView 177° ※別売アクセサリーが必要 | ||
オートフォーカス | ActiveTrack 6.0 |
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背景ボケ | |||
暗所性能 | 普通 | 良い | |
カラー | ナチュラル ビビッド フラット | 標準 D-Log M HLG |
|
10bitカラー | |||
手ブレ補正 | オフ HyperSooth6.0 オン HyperSooth6.0 ブースト 水平維持 水平ロック | 3軸ジンバル補正 |
|
マイク数 | 3 | 3 | |
ワイヤレスマイク | |||
価格 | 本体のみ | 62,800円 | 74,800円 |
デザイン的な部分と画質に関わる部分に分けて表を作成しました。
マーカー部分は比較した時にアドバンテージとなっている箇所を意味しています。
ここからはいくつかの項目で比較し、その後にそれぞれのカメラに向いているパターンをまとめます。
①デザイン面の比較
GoProは横長でPocket3は縦長。「アクションカメラ」と「ジンバルカメラ」という別タイプのカメラなのでデザイン的にはかなり違っています。
タフさ
GoProは多少乱暴に扱っても壊れないタフさと防水性能を備えており、様々なシーンで活躍できます。
Pocket3はジンバル(手ブレ軽減のための精密機器)がついているので丁寧な取り扱いが必要です。
ラフに扱うと故障する可能性あり(非防水)。
撮影スタイル
GoProは自撮り棒やミニ三脚に取り付けて使う他、乗り物にマウントして使うことも多いカメラです。
しばらく形も大きく変化していないことから使えるアクセサリーも豊富です。
撮影方法もシンプルに録画ボタンを押すだけなので、はじめてでも直感的に使いやすいです。
Pocket3付属のケースが良くできており、マイクや広角レンズのような付属アクセサリーをコンパクトに収納してポケットに入れられます。
基本的には手で持って使うことが多くなるでしょう。
メニューシステムなどのUIは洗練されているので使いやすいですが、ジンバルを意図したように操作できるようになるまでには学習コストがかかるかもしれません。
バッテリー
1日中使うとなるとバッテリーの心配がありますが、幸いどちらのカメラも予備バッテリーで運用ができるので大きな問題はないでしょう。
②映像面の比較
画質
Pocket3はGoPro HERO12よりも大きな1インチセンサーを搭載しており、ダイナミックレンジやフォーカス性能に大きな違いをもたらしています。
ダイナミックレンジ(表現できる明るさの幅)
大きなセンサーは小さなセンサーよりも多くの光を受け取ります。
なので、Pocket3のほうがダイナミックレンジが広く、白飛びや黒つぶれに強いです。
特に暗所で撮影した時のノイズの少なさは他の同価格帯のカメラと比較しても優秀です。
フォーカス性能
Pocket3は被写体に焦点を合わせることができるため、トラッキングや背景ボケを実現できます。
人物や商品などフォーカスすれば、被写体を際立たせたり、奥行きを与えたり、雰囲気をつくるために活躍します。
カラー
両カメラともオートの他、10bitカラーとLog撮影に対応しており、編集時、色味を柔軟に変更することができます。
画角
GoPro HERO12はPocket3よりも広範囲を撮ることができます。
アスペクト比(縦横比)
どちらのカメラとも横動画と縦動画に対応しています。
ただし、Osmo Pocket3は撮影の時点で縦横を決めておく必要があるのに対して、GoProは撮影後に縦横を選べます。
(GoProだとアスペクト比8:7を選べるため、編集で縦動画として使うことも横動画として使うこともできるという意味)
手ブレ補正
GoProがカメラ本体内部で電子的に手ブレ補正するのに対して、Pocket3は3軸ジンバルで物理的に制御しています。
それぞれの方法に次のようなメリット・デメリットがあります。
電子手ブレ補正 vs ジンバル手ブレ補正
- 電子手ブレ補正:低照度の環境でのパフォーマンス不安定だが、直感的に使える(ダイナミックな動きにも対応)
- 物理ジンバル:様々な環境で安定するが、操作にテクニックが必要(急激な動きは苦手)
▲ GoProだとカメラが360度回転しても映像を水平に維持することができます。(引用:GoPro公式サイト)
音声収録
比較表上は違いがないですが、音質的にはOsmo Pocket3が圧倒的に高いです。
DJIはGoProよりも先にワイヤレスマイク接続に対応したこともあり、音声収録に関してのノウハウではリードしています。
GoPro HERO12に向いているパターン
アウトドアやスポーツで使いたい
スポーツやアクションシーンを撮るのにはやはり直感的に使えて丈夫なことが重要です。
また、アウトドア環境だとシチュエーション的に両手が塞がってたり、落としたりなどカメラにとって厳しい環境での使用も考えられます。
GoProはそういった状況下でも活躍できます。
雨の日や水の中でも使いたい
海や雨の中で使う予定がある人も防水性能の高いGoProを選んだほうがいいでしょう。
主に昼間に使う
GoProが最もパフォーマンスを発揮するのは自然光の出ている時間帯です。
(夜間や室内ではあまり活躍しません。)
Osmo Pocket3に向いているパターン
夜間も使いたい
GoProと比較して暗所でのパフォーマンスが優れています。
雰囲気重視
人物や商品の撮影時、背景ボケや美顔効果設定によって被写体が際立たせることができます。
トラッキング機能を使いたい
優れたトラッキング性能によって被写体が動いても追跡できます。
音声もしっかり残したい
DJI純正の外部マイクによって簡単にクリアな音を残すことができます。
迷ってるならレンタルしてみるのもオススメ
気に入ったら買うくらいの気持ちでまずは一度触ってみてはいかがでしょうか?
↑ひらく
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最後に
それぞれのカメラが活躍するシーンは次のように分類できます。
GoPro HERO12 ⇒ アウトドア,自然,水中,明るい時間帯
Osmo Pocket3 ⇒ 街,人,モノ,24時間
ぜひ、利用シーンをイメージした上で選んでみてください。