Insta360には縦長デザインの360度カメラシリーズがあります。
ONE X2はシリーズ2作目にしてすでに使いやすく完成度の高い人気モデルでしたが、その後継機となるX3ではどのようなアップデートが見られたのか?
両者を比較してみます。
今回比較するカメラ
Insta360 ONE X2
Insta360の360度撮影専用カメラ(2020年発売)。
Insta360 X3
Insta360 ONE X2の後継機。360度モードだけでなく、スタンダードモードも実用的なレベルになりました。
使ってみた:Insta360 X3を半年弱使った正直なレビュー
Insta360 ONE X2 vs X3 比較表
Insta360 ONE X2 | Insta360 X3 | |||
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発売時期 | 2020年11月 | 2022年9月 | ||
①デザイン面 | 重さ | 149g | 180g | |
サイズ | 46.2 x 29.8 x 113 mm | 46.0 x 33.1 x 114.0mm | ||
バッテリー | 1630mAh (5.7k@30fps 80分) | 1800mAh (5.7k@30fps 81分) |
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SDカード | 最大1TB | 最大1TB | ||
タッチスクリーン | 1インチ | 2.29インチ | ||
防水性能 | IPX8 10m防水 | IPX8 10m防水 |
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ブルートゥース | 4.2 | 5.0 | ||
クイックメニューボタン | ||||
振動フィードバック | ||||
②映像面 | センサー(インチ) | 1/2.3 | 1/2 | |
画角(35mm換算) | 7.2mm | 6.7mm | ||
360度モード | 解像度@フレームレート | 5.7K@30/25/24fps 4k@50/30fps | 5.7K@30/25/24fps 4k@60/30fps |
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標準 | ||||
HDR | HDR | アクティブHDR |
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タイムラプス | 5.7k | 8k |
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タイムシフト | ||||
バレットタイム | 3k@100fps | 4k@120fps |
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Meモード | ||||
ループ録画 | ||||
シングルレンズモード | 解像度@フレームレート | 1440@50/30fps 1080@50/30fps | 4K@30/25/24fps 3.6k@60/50/30/25/24fps |
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最大ビットレート | 100Mbps | 120Mbps | ||
カラー | LOG 標準 鮮やか | LOG 標準 鮮やか |
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手ブレ補正 | FlowState (6軸電子手ブレ補正) | FlowState (6軸電子手ブレ補正) |
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オーディオ | ステレオマイク 外部マイク対応 | ステレオマイク 外部マイク対応 |
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定価 | 55,000円 | 68,000円 |
両カメラの動画に関係するスペックを2つにざっくり分けてまとめてみました。
①デザイン面(ユーザーエクスペリエンス)
②映像面
結論から述べると、①は大きく向上したけど、②の改善幅は小さいです。
X3で進化したポイント
①デザイン面
スクリーンが大きくなった
スクリーンが大きくなったことで設定変更のしやすさや見やすさがアップしてます。スクリーンのレスポンスはそこまで悪くないと評判です。
クイックメニューボタン追加
本体に物理ボタンとしてクイックメニューボタンが追加されています。これによってモード等をすばやく切り替えられるようになりました。
物理ボタンなら水中にいる時や雨でスクリーンが濡れていても使える点で進化してます。
振動フィードバック
設定変更時のバイブによるフィードバックが追加されました。
WiFi転送が高速化
転送速度が50%アップしたのでイライラも減ります。
②映像面
センサーサイズがアップ
センサーサイズは大きくなりました。これによって理論上は画質向上が期待できます。
最大ビットレート
1コマあたりの容量が20%大きくなっています(情報量が増えたということ)。
暗所性能アップ
暗所に強くなったと言えます。
(センサーサイズが上がって最大ビットレートも上がっているということは前のモデルよりはセンサーの性能が上がっているということです。)
通常のアクションカメラとして使える+画質向上
片方のレンズだけで撮影するシングルレンズモードでは4K撮影ができるようになっています。スクリーンも付いてるのでVlogカメラとしても自撮りするのにも使いやすいんじゃないでしょうか?もしかしたら普通のアクションカメラの出番は減るかも。
※正確に言えば、ONE X2も似たようなことはできましたが、解像度的にあまり実用的とは言えませんでした。
Meモード追加
Meモードは60fpsで自撮りでき、どんなに動いても人物中心の構図で撮影できるモードです。これによって編集にかかる手間を大幅に削減できます。
ハイフレームレート
設定によってはONE X2よりもフレームレートを上げられるようになってます。スローモーション撮影用のカメラとしては物足りないですが、一応使えるレベルになりました。
オーディオ品質
マイク性能はやや改善しています。ただし、しっかりと音を収録するならRode Wireless Go2などのワイヤレス外部マイクを使うのは従来と変わりません。
課題が残るところ
暗所性能はぶっちゃけ平凡
センサーサイズがアップしたものの、「Insta360 ONE RS 1インチ 360度版」と比較すると光が少ない場所で撮るとノイズ感が出てしまいます。
解像度
360度動画は5.7kからのアップグレードを期待していましたが、そのままでした。ONE X時代から5.7Kだったことを考えると4年経っても変わっていないことになります。これだと結局、書き出しは1080pになるので残念です。
スクラッチ対策はあと一歩
360度カメラの特性上、両サイドにレンズがあるので下手に置くと傷が付きやすいです。いったん傷がつくと自分ではどうしようもなくメーカーに修理に出さないといけなくなります。
そのため、使わないときはいちいちカバーをかけるのが基本になります。
いまのところ対策は別売のレンズガードとかレンズ保護フィルターを使うことくらいです。
ただし残念ながら、レンズ部分を保護すると画像劣化の原因になったり、水中で使えないなどの制約も出てきてしまいます。デザイン面で解決できればいいんですが、これに関する改善はいまのところ見られていません。
意見が分かれそうポイント
スクリーン巨大化
大きなスクリーンはもちろん便利ですが、アクションカメラはわりとラフに扱うものです。なのでX2よりも故障や傷のリスクが上がったと考えることができます。そういう意味で言えば、スクリーンは2.29インチが最適なのかわかりません。
一方でシングルレンズモード+大きなスクリーンは自撮りとは相性が良いので評価する人も多いでしょうね。
純粋に360度カメラとして使うだけならスクリーンは小さくて良いのですが難しいところです。
バッテリーの変更
バッテリーはONE X2から10%容量アップしてますが、実際の最大撮影時間は伸びてません(これはスクリーンが大きくなったことで結果的に電力消費量が増えたことも一因でしょうか)。
にも関わらず、バッテリーにモデルチェンジがありました。すでに予備バッテリーを持っていたX2ユーザーは使い回せないため、新たに買い直さないといけないのでガッカリかと思います。
値段
円安の影響もあるとは言え、18,000円分の進化はあったのか?と考えることもできます。
Insta360 X3はこんな人にオススメ
- 360度カメラを買うのがはじめて
- まだアクションカメラを持っていない
- バレットタイムモード撮影に挑戦したい
はじめて360度カメラを買う
他の360度カメラは発売から年数が経っています。
このタイミングで360度カメラ買うなら、これかInsta360 ONE RS 1インチ 360度版がオススメです。
はじめてアクションカメラを買う
Insta360 X3はシングルレンズモードと360度カメラを使えるので1台でできる撮影の範囲が広いです。
複数台のカメラを持っていくのは大変なのでこうやって1台でマルチに活躍するカメラは重宝します。
マルチに活躍すると言えば、モジュラータイプのInsta360 ONE RSもありますが、モジュラーだと手間なので個人的にはX3のほうが利便性が高いと考えます。
バレットタイムモード撮影に挑戦したい
X3は現状、バレットタイムモード(よくマトリックスみたいと言われるやつ)が一番ハイクオリティで撮れるアクションカメラです(4k@120fps)。
普通の人がそこまで頻繁に使うモードかどうかはよくわからないですが、面白い映像コンテンツを作ってる人など一部のユーザーにとってはけっこう魅力的なんじゃないでしょうか。
ONE X2ユーザーは買い換えるべきか?
週末カメラマンとしてたまに使うレベルなら買い換えるほどじゃないかもしれません。繰り返しになりますが、なんせ映像品質はほぼ変わっていないので。仮にX3をスルーしてX4まで見送ったとしてそこまでなにかが劇的に変わることはないと思われます。
一方、メインのカメラとして毎日使うレベルなら使いやすさがアップした最新モデルにアップデートする意味はありそうです。WiFi速度アップや新しいスクリーンは編集作業、設定変更にかかる時間に影響します。それこそ、年単位で見るとかなりの時間を節約できるはずです。
【発売日予想】Insta360 X4 はいつ出る?
まだ360度カメラを持ってなくて、使ってみたいけど「X3発売からしばらく経過してるし、X4まで見送ろうかな?」と考えているひともいるかもしれません。
ただし、X4発売まではしばらくかかる可能性が高いことをお伝えしておきます。
僕がそのように考える根拠は
- Xシリーズの過去の発売ペースは2年おき
- テクノロジー的に360度カメラの伸びしろがあまりない
- 仮に今X4を作ると本体のみで10万円超えてしまう(10万円以下に抑えたいはず)
ということです。
おそらく次のアップデートは2024年秋になるでしょう。
なので、買うなら今買っても全然遅くはないです。
また、Insta360は大幅に値下げとかはこれまでにしてないので安くなるのを待っているのは逆効果かもしれません。
そういう意味でセール開催中に買うとかレンタルしてみて試すとかはわりとオススメです。
Insta360セール(2023年12月3日まで)
Insta360サイバーマンデーセールの主な対象モデル
- Insta360 X3
- Insta360 ONE X2
- Insta360 GO3
- Insta360 ONE RS ツイン
- Insta360 ONE RS 4K
- Insta360 ONE RS 1インチ 360度版
Insta360はどこで買うのがいいのか?
基本は公式サイトです。3つ理由があります。
理由1パッケージ販売されていて便利
Insta360 X3は撮影目的に合わせて複数のアクセサリーが必要になりますが、
Insta360公式サイト
だと目的ごとにパッケージで販売されており、必要なアイテムがいっぺんに揃って便利です。
Insta360X3のキット
通常版 / プレミアムセット / バイク撮影キット / スキー撮影キット / バレットタイムキット / 究極キット / バーチャルツアー・キット / 建設キット / 自転車撮影キット
理由2特典アクセサリー付き
360度撮影において自撮り棒はほぼ必須アイテムですが、公式サイトでX2やX3を購入すると特典としてもらえます。
通常版購入者特典(単体で購入すると4,500円)
その他購入者特典
理由3保証の観点
アクションカメラは常に故障とは隣り合わせなので、他のガジェット以上に保険は重要になります。そういう意味で公式だと安心感が違います。購入時に保証に入っておけば往復送料無料で修理を受けられます。
特典アクセサリー付き:
Insta360公式サイト
迷ってるならレンタルしてみるのもオススメ
↑ひらく
急いでないなら選択肢としてレンタルしてみるのも悪くないです。経験上、しっかり使ってから本当に気に入ったものを買うと失敗しません。
比較表付き:Insta360のレンタルサービス|どこで借りるのが正解?
最後に
それぞれのカメラで撮った参考動画を置いておきます。