ほぼ同時期に発売されたGoProとDJI Action2。
見た目は違うものの、価格帯はわりと近いのでアクションカメラ初心者にはわりと似たような製品に見えるかもしれません。
ただ、実際には違うところもけっこうあります。
それぞれのカメラが得意な部分、苦手な部分は買う前にわかっていたほうが後悔が少ないはずなので比較しながら紹介します。
今回比較するカメラ
GoPro HERO10 Black
アクションカメラの中心的存在GoProの2021年モデルです。
GoProの主な特長(優れている点)
頑丈
バッテリー交換が簡単
5.3K対応
DJI Action2
初代Osmo Actionの後継機として発売されたマグネット着脱式カメラです。
DJI Action2の主な特長(優れている点)
コンパクト・軽い
超広角
GoPro HERO10 vs DJI Action2 比較表
GoPro10 Black | DJI Action2 | ||
---|---|---|---|
発売時期 | 2021年9月 | 2021年10月 | |
① | サイズ | 153g | 56g(本体) 64g(フロントタッチ画面モジュール) 56.6g(電源モジュール) |
バッテリー | 48〜128分(1720mAh) | 本体のみ最大70分(580mAh) モジュール利用で+110分(1300mAh) |
|
ストレージ | 最大512GB | 32GB(本体のみ) ※マイクロSDカード最大256GB |
|
防水性能 | 10メートル防水 IPX8 | 10メートル防水(防水ケース不使用時) 60メートル防水(防水ケース使用時) |
|
② | センサー | 1/2.3 | 1/1.7 |
最大解像度 | 5.3K 60FPS | 4K 120FPS | |
最大ビットレート | 100Mbps | 130Mbps | |
画角 | SuperView|16mm 広角|16~34mm リニア |19~39mm リニア+水平維持|19~34mm 狭角|27mm FOV138° | 超広角 FOV155° |
|
色味 | フラット ナチュラル 鮮明 | 標準 D-Cinelike |
|
手ブレ補正 | 電子手ブレ補正 (HyperSooth4.0) | 電子手ブレ補正 (Rocksteady 2.0+HorizonSteady) |
|
定価 | 64,000円(本体のみ) 70,000円(本体+アクセサリーセット) 54,000円(サブスク) | 49,500円(電源モジュール) 63,800円(フロントタッチ画面モジュール) |
まずはスペックをもとに両カメラの動画撮影における長所を中心に紹介します。その後、それぞれのカメラに向いているパターンをまとめることにします。
①デザイン面
コンパクトさ勝負ならDJI Action2が際立つ
DJI Action2は本体だけならGoProの1/3の重さです。
また、フロントタッチ画面モジュールを使えば、確認しながら自撮りできるという意味でGoProとほぼ同じ状態になりますが、その状態で使っても56g+64g=120gです。コンパクトさでは圧倒的にDJI Action2に分がありますね。
ただ、コンパクトさの代わりにスクリーンが小さいので操作性や見やすさは劣るとも言えます。
バッテリー交換を考えるとGoProがいい
GoProはこまめにバッテリー交換をすれば、理屈的にはほぼ1日中カメラを回していられます。純正バッテリーも1つ2,500円なので複数用意するのもそこまで大変ではありません。
一方、DJI Action2で同じことを実現しようとするとモジュールを追加購入しなければならずバッテリー代がかさみます。余程じゃなければバッテリーのためにGoProの3倍も出したくないんじゃないでしょうか?
- 電源モジュール:7,260円
- フロントタッチ画面モジュール:19,800円
ちなみにAction2を本体のみで使うとバッテリーとストレージの関係で連続使用時間が短いのが悩ましいところです。(設定によっては20〜30分でバッテリー切れ)
タフに扱いやすいのはGoProのほう
GoProは万が一、アクシデントでレンズカバーが傷ついたとしても自分でレンズカバーを交換できます。また、普通に使う限り防水性能も十分でしょう。
一方、DJI Action2はレンズカバーのトラブルで修理に出す必要があり、その間は使えなくなります。さらに残念なのは防水は本体のみでモジュールは防水じゃないこと。これだと雨や雪、海や川ではちょっと使いにくいです。
設定変更はGoProのプリセットが楽
GoProはよく使う撮影設定をプリセットとして何パターンも登録しておけます。これにより素早く設定変更ができます。
DJI Action2にはプリセット登録機能がないため、設定変更に時間がかかってしまうでしょう(1世代前のDJI Osmo Actionにあった機能なのになぜかAction2では利用できません)。
②映像面
センサーサイズは違うのに映像品質に差はほぼない
DJI Action2はGoProよりも大きいセンサーを搭載しています。
そのため、DJI Action2のほうが暗所に強かったりして「映像の質的には優れているかも」と期待しましたが、暗所性能で両者に明確な差は見られませんでした。
DJI Action2と同じセンサーサイズのDJI Pocket2は暗所性能が良く、背景もボケるので期待していたのですが残念ながらフォーカスは固定です。
Pocket2とAction2ではレンズが違うんですね。
- DJI Pocket2:F1.8
- DJI Action2:F2.8
ただ、DJI Action2のほうが画角が広い=迫力は出せる点は良いと思います。
どちらもカラーグレーディング可能
両カメラともカラーグレーディングを前提として発色を抑えた設定を選べます。
編集で色をいじりたい場合は撮影時点で以下の設定を選びましょう。
- DJI Pocket2:D-Cinelike
- GoPro:フラット
手ブレ補正に差はない
両カメラとも電子的に手ブレ補正処理しています。クオリティに差はありません。
価格
GoPro本体とDJI Action2(Dual-Screenコンボ)はほぼ同じ価格になります。
※DJI Action2をGoProで自撮りするイメージで使うなら、PowerコンボよりDual-Screenコンボを選んだほうが良さそうです。
GoProのほうが向いているパターン
タフさを求めている
頑丈で防水力もあるGoProはタフな環境でも活躍します。また、レンズケースの交換も自分でできるため、乱暴に扱いやすいカメラです。
アウトドア向きなのはDJI Action2よりはGoProだと思いますね。
長時間の撮影
バッテリーを考えると長時間撮影にはDJI Action2よりもGoProを選ぶほうがコストを抑えられるはずです。
複数の設定で撮る
頻繁に設定を切り替えて映像にバリエーションを出したい人にとってはプリセット登録が使えるGoProのほうが便利です。
DJI Action2のほうが向いているパターン
コンパクトさを最重視している
たとえGoProよりもタフじゃなくもコンパクトなほうがいいという場合にはDJI Action2がベターです。
GoProを体の一部にマウントすると153g+αなのでどうしても重さを感じますが、DJI Action2の場合、ほぼ56gで済みます。100gの差は手に持つだけだと大した差ではないかもしれないですが、身につける上では大きな差を感じるでしょう。
コンパクトで持ち運びやすく、目立たず、マウントすれば両手が空いた状態で撮影できるのは大きな武器です。
超広角で撮影したい
GoProよりも広い範囲を撮りたい場合にはDJI Action2しかありません。
まとめ
個人的にはDJI Action2のコンセプトは好きですが、ビミョーだと思いました。まだちょっと伸びしろのあるプロダクトですね。
バッテリー、プリセット、防水性能の点で中途半端です。前のモデルではできたことができなくなっちゃってますからね。何か一つでも圧倒的に魅力的な特長があれば印象も違ったんですが、僕にはそれだけの魅力は発見できませんでした。
また、コンパクトなカメラで言えばInsta360 Go2という選択肢もありますが、その比較ではコスパ面でも見劣りします。ということで↓Insta360 Go2との比較の結論にも書きましたが、今回はスルーして次回作に期待するのが良さそうです。
-
-
Insta360Go2 vs DJI Action2 どっちを買う?
映像品質はそこそこでコンパクトさを売りにするアクションカメラが流行ってますね。 SNSを見ると使っている人が増えてるのがわかります。 僕はInsta360Go2を発売直後から使ってますが、あとから登場 ...