親指サイズでおなじみのInsta360GOシリーズですが、新しくGO3が登場しましたね。
前作のInsta360 GO2は完成度が高く人気モデルだったので、個人的にはやはり気になってしまいます。
とは言え、ほとんどアップデートせずに惰性で新機種を出してくるメーカーがあったり、新機種が出るとヨイショしてばかりのインフルエンサーが多い昨今。
新商品だからと言う理由だけで油断して飛びつくと損しそうなので少し懐疑的に見たほうがいいかもしれません。
このGO3ではどのような進化が見られたのか?価格アップとその価値は見合っているのか?
まずは両者をじっくり比較してみます。
今回比較するカメラ
Insta360 GO2
小型カメラの分野において画期的な存在であり、このジャンルを飛躍的に進化させた入手困難な超人気モデルです。
Insta360 GO3
Insta360 GO2の後継機。新しいケースによって自撮りや防水性能がアップしました。
Insta360 GO2 vs GO3 比較表
Insta360 GO2 | Insta360 GO3 | |||
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発売時期 | 2021年3月 | 2023年6月 | ||
①デザイン面 | 重さ | 26.5g(本体) 63.5g(ケース) | 35.5g(本体) 96.3g(ケース) |
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サイズ | 52.9 x 23.6 x 20.7mm(本体) 68.1 x 48.5 x 26.5mm(ケース) | 54.4 x 25.6 x 23.2mm(本体) 63.5 x 47.6 x 29.5mm(ケース) |
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バッテリーライフ (1080p@30fpsで撮影) | 本体のみ30分 ケース併用時Max150分 | 本体のみ45分 ケース併用時Max170分 |
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ストレージ | 32GB, 64GB ※マイクロSDカード不可 | 32GB, 64GB, 128GB ※マイクロSDカード不可 |
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タッチスクリーン | 2.2インチ |
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防水性能 | 本体 | IPX8 4m防水 | IPX8 5m防水 |
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ケース | 防水性なし | IPX4 |
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ブルートゥース | 5.0 | |||
ボイスコントロール | ||||
クイックボタン | ||||
②映像面 | センサー(インチ) | 1/2.3 | 1/2.3 | |
ISO | 100-3200 | 100-3200 | ||
画角(35mm換算) | 11.24mm | 11.24mm | ||
解像度@フレームレート | 標準 | 1440p@50/30/25/24fps 1080p@50/30/25/24fps | 2.7K@30/25/24fps 1440p@50/30/25/24fps 1080p@50/30/25/24fps |
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アスペクト比変更可能 | プロ動画モード 1440p@50/30/25/24fps 1080p@50/30/25/24fps | FreeFrame動画モード 1440p@50/30/25/24fps 1080p@50/30/25/24fps |
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タイムラプス | 1440p@30fps | 1440p@30fps |
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タイムシフト | 1440p@30fps | 1440p@30/15fps |
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スローモーション | 1080p@120fps | 1080p@120fps |
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プリ録画 | 2.7K@30/25/24fps 1440p@50/30/25/24fps 1080p |
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ループ録画 | 2.7K@30/25/24fps 1440p@50/30/25/24fps 1080p |
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HDR動画 | 1440p@25/24fps | |||
最大ビットレート | 80Mbps | 80Mbps | ||
カラープロファイル | LOG 標準 鮮やか | フラット 標準 鮮やか |
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手ブレ補正 | FlowState | FlowState | ||
ブレ補正レベル | なし | オフ 標準 高 最大 |
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マイク穴 | 1 | 2 | ||
定価 | 32GB | 36,300円 | 57,500円 | |
64GB | 39,930円 | 60,500円 | ||
128GB | 64,800円 |
両カメラの動画に関係するスペックを2つにざっくり分けてまとめてみました。
①デザイン面(ユーザビリティ)
②映像面
結論から述べると、①は性能アップ、②あまり変わらないと言ったところです。
GO3で進化したポイント
①デザイン面
アクションポッド
GO2からGO3になるにあたって、本体と連携するケース兼リモコンの性能は確実に良くなっています。
(このケース兼リモコンをGO3ではアクションポッドと呼びます)
とくにスクリーンがついたことでライブプレビューや設定変更の利便性は大幅にアップしています。
ライブプレビュー・確認
GO3なら撮ってるものをリアルタイムで確認できますし、グリッドを表示させることもできます。
モニターを見ながら自撮りすれば、画角も失敗することがありません。
▼ GO2はケースに動画確認機能がないため、アプリに繋いでプレビューする仕様ですが、ブルートゥース接続に時間がかかったり、時々エラーも起こるなど、そもそも手間です。
設定変更
GO2は物理ボタンでメニューの切替えをしなくてはならず不便でした。
GO3からはタッチパネル式になったので当たり前ですが、直感的に設定変更がしやすいです。
また、パネルを自分のほうに向けられるデザインもいい感じです。
(自撮りの途中で設定を変更したい時にわざわざカメラの向きを変えなくていいからです。背面スクリーンでしかメニュー変更ができないとなると毎回カメラをひっくり返したり、自分が回り込んだりと手間が増えます。)
さらにアクションポッドにはスクリーンの他にクイックボタンも追加されています。
(これによってあらかじめ登録しておいたモード等をすばやく切り替えられるようになりました。)
防水
GO2の場合、カメラ本体は防水ですが、ケースには防水性能がありません(水のある場所での利用には制限がありました)。
GO3になってアクションポッド自体の防水性がアップしたので雨やちょっとした水しぶきなら問題ありません(ただし、水中で使うには潜水ケースが必要)。
バッテリーライフ
撮影時間がやや伸びました。(本体のみで15分、ケースで20分の改善)
理想を言えばもうちょっと長くてもいいですが、便利になったのは間違いありません。
それとは別に長時間撮影時のオーバーヒートが起こりにくくなったとの声もあります。
長めのクリップを撮るタイプの人には朗報です。
音声制御
ボタンだけでなく、ボイスコントロールで録画をスタートできる機能が追加されてます。
マグネット式マウントシステム
GO2もマグネット式で便利でしたが、GO3からはアクセサリーの着脱がより素早くできるような改良が見られます。
②映像面
動画モードの名前
動画モードはGO2時代から名前が変わっています。
動画モード(GO2⇒GO3)
- ベーシック動画⇒動画
- プロ動画⇒FreeFrame動画
- HDR動画⇒廃止
FreeFrame動画について
- 水平レベルを変えられる(スタンダード動画モードは水平を変えられない)
- 通常の動画モードよりも高いフレームレートで撮れる
- 1440p@50fpsまで
- スタンダードよりもバッテリー消費が早い
通常動画の解像度
GO2の通常動画はMaxで1440pでしたがGO3は2.7K撮影ができるようになってます。
マイクの数(1⇒2)
GO2はマイク穴が本体上部にしかついてないですが、GO3は正面にもついたので理論上は音質が向上しています。
カラープロファイル
カラープロファイルは一部変更がありました。
カラープロファイル(GO2⇒GO3)
- LOG ⇒ フラット
- 標準 ⇒ 標準
- 鮮やか ⇒ 鮮やか
GO2ではLOGという名称でしたが、GO3からはフラットになりました。
それにともなって色味も若干、変わっています。
手ブレ補正をレベル設定できる
手ぶれ補正のかけ具合を4段階で調整できるようになってます。
- オフ:手ぶれ補正無効
- 標準:日常のアクティビティ
- 高:ランニングなど
- 最大:エクストリームスポーツ(マウンテンバイクなど)
GO3のちょっと残念なポイント
解像度はほぼ変わってない
1440pが2.7Kになったと言えば、直感的にはかなり改善したように聞こえますが、実際は2560x1440が2720x1536になっただけです。
2.5Kからの2.7Kなので変わってないと言っても言い過ぎではないでしょう。
ただ現実問題として、必要以上に解像度を上げようと頑張ればハードウェア的には負担が大きくなりますし、熱で止まるなどの問題が起きるのでしょうがないんでしょうね。
HDR動画モードがない
HDR動画モードがなくなりました。
HDRフォトモードが追加されていることから推測すると、今後アップデートで使えるようになるのかもしれません。
構造的に壊れやすい
カメラ本体がむき出しになっていたり、スクリーンがついている点では故障や傷のリスクは高まったと言えるんじゃないでしょうか?
GO2のケースは折りたたんだ時にレンズ部分が隠れるので傷の心配をせず、ポケットに入れることができてました。
サイズが変わった
GO2とGO3はサイズが微妙に違います。
サイズが同じならGO2をアクションポッドに入れて使い回すことができて良かったんですが、デザインが変わったとなるとそれができません。
さらにいうとGO4もサイズが変わるということになれば、モデルごとにアクセサリー買い替えってことにもなりますよね。
値段上がりすぎ
今回はカメラの性能は殆ど上がってませんので、主な価格アップ要因はアクションポッドです。
もちろん円安が影響してるとは言え、アクションポッドに実質20,000円分の価値はあるのかな?と考えることもできます。

Insta360GO4への課題
画質の向上
センサーサイズがGO2と同じなので画質的に大きな変化はありません。
解像度
せっかくバージョンアップするなら4K対応を期待してしまいましたが、2.7Kというのはややがっかり感がありますね。
また、2.7K撮影ができるのは標準動画だけという点も中途半端な印象が残りました。
個人的には絶対FreeFrame動画モードのほうをよく使うと思うんですが...。
暗所性能
暗所で使うには性能的に難しいですね。
センサーサイズを大きくすれば親指サイズを維持できなくなるのでトレードオフですが。
外部マイク
アクションポッドに外部マイクを接続できれば、音質はより良くなるはずなので、次のモデルでは期待しています。
マイクロSDカード
マイクロSDカードを使えるようになるとありがたいですね。
128GBモデルなら十分使えますが、万が一、ストレージが一杯になったときのことを考えると、他のモデルのようにカード交換ですぐに対応できるほうが便利です。
GO3はこんな人にオススメ
- 小型カメラを持ってない人
- GO2のヘビーユーザー
- 水中で使いたい人
小型カメラを持ってない人
小型カメラは他のカメラと比較して画質的に劣るものの、そのサイズ感だからこその使い道があり、1台あると重宝します。
GO2でもいいと思いますが、発売から2年以上経過しており、すでに公式サイトでは売り切れてますし、今からGO2を買うなら操作性的にGO3を推します。
GO2のヘビーユーザー
GO2をヘビーユースしてるなら、使いやすくなったGO3ならもっと使うようになるでしょう。
そういう意味で絶対もとはとれるはずです。
GO3でアップデートされた部分
- 標準動画の解像度
- 撮影時間
- 音質
- 容量
- オーバーヒート&熱停止対策
- 設定変更のしやすさ
- プレビュー
- フリップ式モニター
水中で使いたい人
GO3には潜水用ケースもあるので水中を撮影することができます。
一般的なGO2ユーザーは買い替えるべきか
まだGO2が使えるならしばらくはGO2でいいと思います。
もちろん、GO2よりGO3のほうが使いやすいのは間違いないので買って後悔することはないでしょうし、一度GO3を使ったらGO2には戻れなくなりますが...。
ただ、ぶっちゃけGO3の予算があれば、より高画質な他のアクションカメラも選択できるんですよね。
すでにGO2を持ってるなら、むしろ、そっちを買っちゃったほうが幅も広がるでしょう。
例えば、GoProやOSMO Action、Insta360 Ace Proなどはもっと画質も良くて丈夫です。
GO3の予算に数千円追加すればInsta360 X3も買えちゃいます。
そういう意味でGO2ユーザーが急いでGO3に買い替える理由はあまりありません。
提案|GO3とAceProがあれば幅が広がる
個人的にはGO2を持っているなら同じInsta360が出している高画質なAce Proとの併用を提案します。
GOシリーズにはない画質・暗所性能・防水性能・容量などの弱点を保管できます。
また、アプリも共通なので学習コストも低いからです。
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Insta360はどこで買うのがいいのか?
基本的に公式サイトをオススメします。
その理由は3つあります。
理由1パッケージ販売されている
Insta360 GO3は撮影目的に合わせて複数のアクセサリーが必要になりますが、公式サイトなら目的ごとにパッケージで販売されており、必要なアイテムがいっぺんに揃います。
Insta360GO3のキット
通常版 / アクションキット / トラベルキット / スキー撮影キット / 自転車撮影キット / バイク撮影キット / クリエイターキット / ウォータースポーツキット /

理由2カスタムスキン対応
1,500円というわずかな追加料金で自分のデザインしたステッカーを作れます。
理由3保証の観点
アクションカメラは常に故障とは隣り合わせなので、他のガジェット以上に保険は重要になります。
そういう意味で公式で買うのは安心感が違います。
購入時に保証に入っておけば往復送料無料で修理を受けられます。
迷ってるならレンタルしてみるのもオススメ
急いでないならレンタルしてから判断するのも悪くないですよ。
経験上、しっかり使ってから本当に気に入ったものを買うと満足度が高いです。
↑ひらく
Insta360をレンタルできるサービスをまとめています
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最後に
映像部分があまり進化していない点で辛口になりましたが、なんだかんだ唯一無二の魅力があるカメラなのでこういった小型カメラを持っていない人にはオススメしたいカメラです。
自分でも実際に使ってみたので続きは別のページへお進みください。
追記|しばらく使いこんでみてレビューを書きました
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